ギンザ・グラフィック・ギャラリー 葛西薫展 NOSTALGIAへ行ってきました。
今回も銀座のギャラリーです。
葛西薫さんは私の好きなグラフィックデザイナーの一人で、大学生の頃から好きです。作品集も持ってます。
1949年札幌市生まれです。
葛西さんを知らない、という人でも、サントリー烏龍茶のCMやポスター、映画「歩いても 歩いても」のポスターなどで作品の一部をどこかで見たことがある、という方が多いと思います。

NOSTALGIA

このタイトルは葛西さんのデザインそのもの、という感じが私はしました。
葛西さんの作品は、哀愁漂うというか・・・、「ノスタルジア」という感じがします。
私は空間の使い方や、文字、作品のほとんどに感じます。

1Fに新作が展示されています。

中に、ノスタル爺さん！というほのぼのとして、ユーモアを感じる農夫の絵があります。
これは、葛西さんの書いた絵で、農夫はクローバーを持っています。
そのクローバーをモチーフにしたデザインがこの展覧会のメインのポスターになっているそうです。
ノスタル爺さんは仕事の合間にスケッチしていたものとのこと。
葛西さんの叔父さんや中学生の頃好きだった「詩人と農夫」という曲から着想を得ているそうです。

ギャラリートークはこちら↓

怒れる手　という作品は烏口で線が引かれているそうです。
パソコンも、Adobe製品もなかった頃、グラフィックデザイナーは手書きで線を引いていました。
葛西さんはその頃からのデザイナーなので、デジタル世代以降の私たちにはない技術を持っています。ホワイトも所々使われています。
線が滑らかで美しいです。

2Fに行くとこれまでの作品が見れます。
とらやのパッケージ
ユナイテッドアローズのポスターやCM
などなど。

ユナイテッドアローズの右側のポスターですが、↑
下の文字の部分は外国語ではないらしいです！（西川美和さんとのギャラリートークより）

反時計回りに回転し、さらにそれを反転させると縦書きの日本語の文字が現れます！
葛西さんがこのポスターの向きのまま書いたそうで、、アイディアも遊び心も技術も、凄すぎです。

装丁の仕事も展示されています。
葛西さんのデザインを見ると、やはり、余白の入れ方とかがなんとも言えません。色合いも古びません。

凹むくらい、いい作品が並んでいます。
葛西さんのご出身は北海道ですが、いつも雪にマッチする作品が多いなと思います。冬の雪の中のように、ちょっと寂しそうだけど、美しい。そして、時々の遊び心も感じます。
葛西さんはこの記事を書いている今、なんと72歳・・・！
デザイナーという職業は若いスターがどんどん出てきます。
その中で葛西さんはそんなことはなんとも思わない、という風で、違う世界にいる人のようです。

もうずっと私はファンです。