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李禹煥展/アートと対話し不思議な気持ちになり、自分と向き合う

李禹煥の作品には出会うことが多いので、とても楽しみにしていた李禹煥展!
※下書きのまま眠らせていました。

お友達が直島に行ったので私も六本木から直島に行きたい気持ちを飛ばしました。

李禹煥や「もの派」に関しては丁寧にご説明しているものがたくさんあるので、この記事では私は展示作品で自分がどう思ったかを自分の記録としてまとめることにします。

でも、いろいろな方の李禹煥展のレビューのnoteを見て思ったことは、作品を通じていろんな思いで、いろいろな受け止め方があるのだということ。その一環として、この記事も見てくださると面白いかもしれないです。

李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。

https://leeufan.exhibit.jp

「ものともの、ものと人との関係を問いかけます。」とのことで歩を進める。

@2020年の森美術館のSTARS展

1968年頃から制作された〈関係項〉は、主に石、鉄、ガラスを組み合わせた立体作品のシリーズです。これらの素材には殆ど手が加えられていません。李は、観念や意味よりも、ものと場所、ものと空間、ものともの、ものとイメージの関係に着目したのです。

https://leeufan.exhibit.jp

「あるがままをアルガママにする」これって表現するうえで超むずくない!?と感じていました。絵も写真も「これが素敵!」と切り取るけど思うように表現できないのですよね。

■関係項-棲処(B)

https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/lee_ufan_national_art_center_tokyo-report-2022-08

これは2014年にフランスで展示された作品。前のブースにいる時からガタガタと聞こえてなんだろうと思っていましたが。作品の上を踏み締めて歩き、音が鳴っていく様が面白いです。それだけではなく、こう瓦礫を積み重ねていく様子が生命の息吹、人間の信仰の原点とのこと。

日本でも見かけますが、一度ずっと足を踏み入れたいと思っている馬耳山を強く感じました。『いとしのソヨン』というずっと前のドラマで、主人公の父と母がここで出会う…という素敵なシーン。想いを積み重ねて願いを天に届けようとしている感じが素敵ですよね。

https://japanese.visitkorea.or.kr/jpn/TMC/TE_JA_7_1_1.jsp?cid=1331358

■関係項–応答

https://bezzy.jp/2022/09/8282/

角度によって見え方が違うと感じました。一見対立してるように見えますが、石が強いのかも知れない。でも角度を変えると鉄板が強いのかもしれない。でも、意外と仲が良くて程よい距離感なのか?鉄板の湾曲は相手を受け入れるためのゆとりなのか?石は、無機質だけど実はいいやつ?なのか。

ここって本当に人間関係と一緒だなと思いました。自分の価値観や、親しい人から
の意見を聞いて一部の側面だけで【悪】と捉えてしまうことがあります。でも、悪は悪なりに考えて動いているので実は【悪】ではないこともありますよね。

常に俯瞰しながら、視野を広くして生きていきたいものです。

■関係項–沈黙

無理な相手に立ちはだかるように見えて、鉄板が思いやりがあるケースもあるのでは?3人で話してるみたいで楽しいな〜なんて感じていました!笑

@2020年の森美術館のSTARS展

今回一番のお気に入りは【関係項–不協和音】という作品。気付きませんでしたが2年前のSTARS展でお目にかかっていたようです。

面白さを感じたのはこの作品が人間関係の根本を表現していると私の目に映ったからです。

村上 隆 展示風景:「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」森美術館(東京)、2020年

隣にあった「対話:彼と彼女」と対になっている印象でした。

石と金属棒どちらが彼か彼女かは分かりません。写真奥のように個として成り立っているときは良い関係性に見える。

一方でお互いが依存しすぎていると金属の棒は歪曲してしまっているように感じました。

支え合っているようにも見えます。相手を迎合しているようにも見えます。でも、個の境界線がなくなりかけることでアイデンティティが歪んでしまっているように感じました。多分一定の距離を計れていた方が自分を保ちやすいし相手を尊重しやすいんだと改めて実感。

■関係項–アーチ

そこをくぐることで生まれ変わったような新鮮な気分になる。確かに。不思議だ。


■対話

確かにどきどきする。意思を持って描かれた四角に。
現代アートって対話できるから楽しいよね、自分と。


■対話ーウォールペインティング

https://bezzy.jp/2022/09/8282/

ないものをあるものとしてる。なんか浮かび上がって、不思議。なんだろうこの気持ちは…そこにご飯のお釜みたいなのがあるだけなのに、なんか神々しい、畏敬な物が現れたような雰囲気。


■関係項-サイレンス

https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/lee_ufan_national_art_center_tokyo-report-2022-08

鉄板とは違うね!ここに悩み事が映る人もいるだろうし、温かい気持ちになる人もいるだろうし、なんか私にはやろうと思ったことはこの白いキャンバスになんでも描けるよっ!っていう想いが溢れた!

てな感じで、久々にアートと自分との対話ができた時間でした。
これが現代アートの醍醐味だと思います。素敵な時間をありがとうございました。

最後に、相田みつをさんの言葉を自分に贈って自己肯定感を高めて締めくくりたいと思います。

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