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なぜブーダンが特に「空の王者」なの?みんな上手なのに!ランス美術館コレクション展では、いろいろな空を見比べてみた👀

コローやクールベ、バルビゾン派から印象派まで、風景画を得意とする巨匠たちがしのぎを削る19世紀フランス🇫🇷
この中で、なぜブーダンが特に「空の王者」と呼ばれるのかな?
最近そんなことを考えていた折も折、ちょうどこの時期の風景画が充実しているという『ランス美術館コレクション~風景画のはじまり コローから印象派へ』@SOMPO美術館がスタート!
ということで、空にフォーカスして観てみることにしました~☁

ときに、ランス美術館は、ルーヴル美術館に次いでカミーユ・コローの作品を多く所蔵することでも定評があるとのこと。
今回も、16点ものコロー作品が出品されています。確かに、こんなにたくさん彼の作品をまとめて観るのは初めてかも☀

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ランス美術館コレクション展風景より、コロー作品2点

まず、コローこそが、ブーダンを「空の王者」と呼んだ張本人。ブーダンの28歳年上です。かく言う彼も、素晴らしい空を描いていますよ!

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ランス美術館コレクション展風景より、コロー作品

ここで、いきなりブーダンの空を登場させてみます✨

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ランス美術館コレクション展風景より、ブーダン作品

まず、空の表情というと雲に目がいきませんか?
ということで、雲の表現を見ていたのですが。。。お2人とも見事な筆遣いで、立体的な雲を描いています。陰影もリアル☁それほど大きな違いは発見できない。。。

次に、空自体の表現に注目!
ここで気が付いたのですが、空って空だけで立体的に見せるのがとても難しいのでは?ということ。
やっぱり、空には雲があり、雨が降っていたりして立体的に見える。空自体をそのまま絵に描くと、のっぺりと平になってしまいますよね~。

コローの絵を見ると、結構雲がふわふわと描きこまれているのと、空の前景に木や平原も大きく描かれている。それによって立体感が出ている。

対して、ブーダンの絵では、雲がほとんと描かれていないうえに、空の比率が画面の3分の2以上占めることも!それでもその広大な空に、果てしない奥行きと立体感を感じる✨
よく見ると、ものすごく繊細な光のグラデーションがあります。うす~いブルーグレーから限りなく白に近い色調へ、または、あわ~いオレンジ色がほのかに差してきたりなど☀
そして、このブーダンの空は、分子レベルの細かい水の粒子が絶妙にブレンドして空気感を醸成している感じ。

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ランス美術館コレクション展風景より、ブーダン作品

これぞ、シャルル ボードレールが「水と大気の魔術」と表現し、ギュスターヴ・クールベが「あなたの他に、空のことを知っている者はいないでしょう」と言わしめたブーダンの空!

ブーダン自身の次のような言葉も残っています「大空の中で泳ぎ回ること。雲の繊細さに到達すること。遥か彼方の灰色がかった霞の中に雲の塊を配置し、青空を輝かせること」を求める!

これからもっと注目していきたいですね。
みなさんも、ブーダンの空関係で何か発見がありましたら教えてください!!

そして、16歳年下のモネに戸外で制作することを勧めたのもブーダン。そのモネから誘われて1874年の第一回印象派展に参加していることから印象派の先駆者とも言われています。ということで、印象派のみなさんも、ブーダンの空に少なからず影響を受けているようですが。。。
そんな目線で会場の印象派作品を見てみると。。。空は結構ざっくりと描かれている(;^_^A
まあ、それが印象派ですし、ここからどんどん抽象画という展開も出てきますからね!!

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空にフォーカスした絵の旅、いかがでしたか?
次回もお楽しみに~♪

【展覧会概要】
題 ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ
会期 2021.06.25〜2021.09.12
会場 SOMPO美術館 https://www.sompo-museum.org/
   新宿区西新宿1-26-1
観覧料金 一般1,500円(日時指定予約優先) 詳細は公式サイトへ

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