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コミュニティーという処方箋

社会的なつながり、もしくは地域のコミュニティーとのつながりを増やすことで、生活習慣病などの病気を抑制する。そんな新しい医療の形を厚生労働省が推進しようとしているとのこと。社会的処方と言うそうです。

自分も社会的処方をテーマにしたボードゲームを体験した時があり、なんとなく言葉は知っていました(下記がその時の記事です)。

偶然にもSNSでこの言葉を見かけて、自分なり思い出すのを兼ねて、色々と調べてみました。また、初めて知る方が参考になる記事も見つけたので、シェアすることにします。

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社会的処方とは?

ネットの記事(NHKニュース)より引用しますが、概要としてはこんな感じです。

「社会的処方」は、社会的に孤立し生活習慣病といった病気を抱えている独り暮らしの高齢者などに、かかりつけ医が地域とのつながりをサポートすることで、病気の長期化を防ぎ、健康を取り戻してもらおうという取り組みで、すでにイギリスなどで導入され一定の効果があると報告されています。
具体的には、かかりつけ医に、診察の際、患者の生活状況を確認してもらい、社会的に孤立している人には「地域包括支援センター」といった行政機関を紹介し、行政機関がサークル活動や患者の会への参加といった地域とのつながりを促します。

厚生労働省としては、将来的に増加するであろう医療費の抑制につながるとして、とても前向きに検討しているようです。

発祥の地であるイギリスでは、社会的処方の一環で釣りや編み物の集まりに参加した高齢者が、うつ病から脱したなどの事例があるそうです。

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つながりが希薄な現代

記事では主に高齢者に視点を当てていますが、全世代に関わることだと捉えています。生活習慣病なので、引きこもりなどの問題でも一定の効果はあるのではないかと思います。

核家族化が進んだために、地域コミュニティーがどんどん消えていき、孤独感を抱える人が増えたような気がします。生活習慣病も多少なりとも心の問題との関わりがあると考えているので、コミュニティーの活性化はだいじなことです。

自分も小学生のころ、夏休みに毎日公園に大人も子どもも集まり、ラジオ体操をしていました。これも地域コミュニティーのひとつですが、中学生になってからは廃止になってしまいました。田舎の住宅密集地なので、コミュニティーを作りやすいと思いますが、孤立化は徐々に進んでいたようです。

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リンクワーカーの存在

イギリスの話ですが、社会的処方の要である「リンクワーカー」と呼ばれる職種があるそうです。社会的処方を行う医療者からの依頼を受けて、患者さんや家族に面会し、地域活動とマッチングさせる仕事です。

イギリスでは研修システムと資格の認定を行う制度を確立していて、日本もこれからというところ。日本ではいわば「おっせかいおばさん」みたいに、町のみんなが関わるような形にできないかということです。

ちなみに、リンクワーカーには求められるスキルが4つほどあるそうです。

 ・聴く:「おばちゃん力」で入りこむ
 ・経験を宝にする:経験がだれかの「オモロ」になる
 ・笑わせる:嬉しい・楽しい・ふるえる
 ・つなげる:おせっかいは大切に

あくまでイギリスの話ですが、日本としてはモデルケースにもなることだと思うので、今後の展開に期待したいところです。

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おわりに

今回、この社会的処方に関する著書が出版されることになりました(実はまだ読んでいません)。これから主務の範囲内ですが勉強したいことです。

冒頭にも書いた通り、医療費の負担は少子高齢化の影響で増加するので、経済的にも重要なこと。また、コミュニティーという受け皿を用意することで、心の問題の解消につながれば、国全体の生産性も良くなるはず。

将来の新たな仕事として、普通に存在するようになるかもしれません。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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