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画鬼-河鍋暁斎の影絵「浅田宗伯夫妻」を探る・・

河鍋暁斎- 影絵「浅田宗伯夫妻」を探る・・

河鍋暁斎- 影絵「浅田宗伯夫妻」


影絵「浅田宗伯夫妻」- 河鍋暁斎 紙本着色 983*699mm - 明治13年(1880)

河鍋暁斎(かわなべきょうさい、天保2年-明治14年/1831-1889-日本画家)

このシルエットである影絵は、デスマスクのようなものだ。
それを、年忌のたびに、取り出して、弔いを尽くす・・

その制作過程は、モデルの影を障子に映し、その影をなぞって描く、いわゆる生前に取られたデスマスクのような世界がそこにはある訳だ。実に生々しい遺影だろう。
この影絵の手法は、従来からのものだが、河鍋暁斎は、それを実に適切なシーンに用いているのだ。
そこには、絵師として、人の情と共に、永遠の弔いの念を表象している訳だろう。

そして、東宮侍従医-浅田宗伯(文化12-明治27/1815-1894/漢方医・儒学者)氏は、晩年の河鍋暁斎を診察している。

浅田宗伯 

東宮侍従医-浅田宗伯

(註)河鍋暁斎(かわなべきょうさい、天保2年-明治14年/1831-1889-日本画家)
反骨精神の持ち主の日本画家で、多様な日本画の世界がある。
そこには、風刺画(戯画 ..etc)を残している。いわゆる狩野派(最大の日本画派)の流れを受けているが、多様な画法も自己の作風に取り入れている。
自他共に画鬼と言われた鬼才な日本画家だ。


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