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ルシオ・フォンタナ:無限の空間

ルシオ・フォンタナ:無限の空間


ルシオ・フォンタナ(Lucio Fontana)

ルシオ・フォンタナ(Lucio Fontana, 1899 - 1968/アルゼンチン系イタリア人/20世紀のイタリアのアーティスト、彫刻家、画家。空間主義の運動の創始者)

Lucio Fontana

ルシオ・フォンタナ(Lucio Fontana)は、20世紀のイタリアを代表する美術家の一人だ。
1989年アルゼンチンに生まれ、1914年ミラノへ移住し、ミラノの美術学校に学び、1930年頃から抽象彫刻の制作を始めた。
ルシオ・フォンタナは、墓地の記念碑の彫刻家としての父親の仕事を学び、彼の初期の彫刻作品はこの伝統的で具象的な影響を反映していた。
そして、1947年、ミラノで「空間主義宣言」を発表する。キャンバスに穴を開け、鋭い切り込みを入れた、その実験的なアートワークは、美術の既成概念を揺るがせ、第二次世界大戦後の美術の展開に大きな刺激を与えた事は確かだろう。

空間概念 - 期待 (Concetto spaziale. Attese)

空間概念 - 期待 (Concetto spaziale. Attese) クリックで拡大されます。

空間概念 - 期待 (Concetto spaziale. Attese) 76.0×200.0 cm 1965
「空間概念 - 期待」には、均一な白一色に塗られた横長のキャンバスに、17本もの鋭い縦の切り込みが入っている。
切り込まれた画面は、観る者に絵画は木枠に張られた布に過ぎないという事実を突き付ける。
ある意味、この暴力的とも言える画面の切れ目の向こうには、闇が広がっている。
こうして、フォンタナはキャンバスを切り込むことで、自分の絵画に、無限の空間を得ることに成功した。
空間概念-期待については、その切れ目の1つ1つが「期待」である。

(註)Attesa(アテッサ):期待を意味する。作品には、それが、切れ目の1つに、単数形の単語が当てられる。切れ目が複数の作品には、同じく「期待」を意味する「Attese(アテッセ)」という複数形の単語が当てられている。

Concetto spaziale(空間のコンセプト)1961 年

Concetto spaziale(空間のコンセプト)1961

これらは、高校美術教科書でご覧になった方も多いだろう・・
「画家として、キャンヴァスに穴を穿つ時、私は絵画を制作しようと思っているのではない。私は、それが絵画の閉鎖された空間を越えて無限に拡がるよう、空間をあけ、芸術に新しい次元を生みだし、宇宙に結びつくことを願っている。」(Jan van der Marck,”Lucio Fontana:From Tradition to Utopia”,op.cit.

(Jan van der Marck,”Lucio Fontana:From Tradition to Utopia”,op.cit.

Concetto spaziale(空間のコンセプト)1961 年
油彩/キャンヴァス/115.5×89cm/1961/Concetto spaziale,1961 (C)Lucio Fontana by SIAE 2009

ルシオ・フォンタナのアートワーク

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