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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト-「やがてアートは消える」

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、ご紹介とコメントとしての評を入れさせていただき掲載させて頂きます。多数のご応募ありがとうございます。

・「やがてアートは消える」
Nishyさま 応募ありがとうございます。

(評)筆者のアート(表象)に対する概念が、時間軸と共に、分かりやすく解説されている。そして、この先にあるアートとは・・・・まずは、筆者の視点を考えてみたい・・・

・研究ノートのような文脈で語られている内容のポイントを追うと・・・
(1)1980~90年代は、現代アートもブームと呼べる時期で、様々な才能が開花した時期だった
当時と相対して、現状は、あの熱狂は?(但し、特質すべき作家の存在はある)
30~40年前より熱狂やスターは現れづらいとも考えられる・・

(2)1980年の美術手帖と、2019/2020年の美術手帖の特集内容を比べてみるとそのタイトルで理解できる。
「近年では個々の作家、作品にフォーカスするよりは、よりアートと社会との関係性の中でのアートが語られているように思う。」
 と筆者は語る。

(3)西洋美術史の大概要
・写実主義中心の古典絵画の時代
・宗教絵画の時代
・作家、作品が中心となり表現の幅が広がるー印象派、抽象絵画の出現
・マルセル・デュシャン「泉」による現代美術の幕開け
・そして表現は多様の一途へ、

(4)さらに今日ではビジュアル共有(Instagram、YouTube)の時代へ
また、視覚芸術、ビジュアルコミュニケーションの点から考えると、
「記録」の時代
 →「表現」の時代
 →「観念(思想、アイデア)」の時代
そして現代は「観念(思想、アイデア)」の表現としての現代美術の時代へと移ってきているのではないだろうか。

5)情報化とコンテンツの現在について、筆者は・・
当初の「記録」だけで考えれば現代は写真や動画が溢れる時代であるので、
視覚伝達という点(機能、役割)においては、アートではなく写真やビデオなどのSNS(Instagram、YouTube)での共有に移ったのではないかと考えている。
6)観念的であればあるほど、(いわゆるかつての美術作品然とした)美術作品から遠ざかっていく。
もはや分かりやすく額縁に入って、美術館に飾られているだけが美術作品とされないことは十分認識されている時代であり、それはアート自身が選択してきた進化であり、逆にそれが視覚芸術自身のアイデンティティ(identity)を弱めるという矛盾を孕んでいる。

7)そして、今後は・・
「アートとは額縁あるいは美術館という容器(あるいはその考え)に入っていた脆いものであり、一旦自分自身でその額縁、美術館からはみ出た、あるいはその額縁を壊してしまったため、社会の中に分散してしまった(しまう)のではないか。
アートは社会の中に溶け込み、やがてその姿を消していくのではないだろうか。丁度、ジョン・ケージの『4分33秒』のように。」
と言う流れで理論展開されているのだ。
その表象の現在形の部分を筆者は、自らの視点で、簡潔にまとめてある。ご自身の視点は、多くの経験値を含み大切だ。
貴重なご意見の一つ(極)と考えております、ご応募ありがとうございました。

(コメント)
・確かに、概ね2010年以降、スマートフォンにより、情報化が進み、世界的に多様性の時代となり流れが変わった。
それは、アラブの春から始まると言われるが・・・(外務省 Vol.87 「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢
・そして、項目がランダムになるが、20thの表象文化(アート)の視点と、現在は、パラダイムシフトしている事は確かだろう。
また、アートは、ミュージアムのいわゆるホワイトキューブの空間から、今は、パブリックアートと同系列に並んでいる様子も、街を歩けば理解出来る。
・芸術は、ウィリアム・モリスのアーツ&クラフト運動に於いて、それまで、貴族や宗教上の施設にあったものが、庶民に生活にデザインと言うキーワードで入り込んでいった。
そして、その間には、バウハウス運動等(当時は球形ガラス技術もなく、その時代の最良な形状でデザインされた)も経て、その時代の科学から、合理的なアート視点のデザインとして展開し、街に、生活に、溶けこんできたことも確かだろう。(例えば、アール・ヌーボー、そして、アール・デコである、クライスラービルやエンパイア・ステートもそうだ)
・そして、ファインアートから、コンテンポラリーアートに移行した訳でもなく、同系列にそれは存在していると言われる。
パリ万博時に、醜いと言われた「エッフェル塔」は、当初、取り壊される予定が、その後、電波塔(ラジオと言う情報機器の登場)として存在して、今では、パリの象徴としての塔だ。余談になるが、エッフェル塔が嫌いな、モーパッサンは、エッフェル塔の食堂で利用している、パリで唯一、エッフェル塔が見えない場所だからだ。そのように、表象文化のパラダイムは、常にシフトしている。

ランダムになるが、私も高校生の頃から、美術手帖を当時は、月刊で(私には)高価であったが、愛読していた。
ただ、最近は、その内容のアプローチも確かに変化してきた様子を感じるが。
表象文化とは、うつろぎの時の流れにあるのだろう・・・

(註)フレーム画像は、Contemporary Art Installation Water - (c) Olafur Eliasson 

・以下は、ご参考までに

(お知らせ)コンテストについて
締切日時は、2020年11/14(土曜日)24:00
結果発表は、2020年11/15(日曜日)18:00 です。
締切間際に応募された作品は、当然審査の対象内ですが、
作品評が、結果発表後になることもご了解ください。(この後、まぎわに入稿予定の方は、私の記事のコメント欄に、ご一報いただけますと幸いです)


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