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解釈:地下水道 - Kanał - ワイダ監督

解釈:地下水道 - Kanał -

地下水道(Kanał)は、1956年/ポーランド-96min
監督:アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda,1926 - 2016/ポーランドの映画監督) 
脚本:イェジ・ステファン・スタヴィンスキー
キャスト:
ザドラ中尉:ヴィンチスワフ・グリンスキー
コラブ:タデウシュ・ヤンチャル
デイジー:テレサ・イジェフスカ

抵抗三部作の2作目

アンジェイ・ワイダ監督を著名にした、抵抗三部作の2作目だ。それら、抵抗三部作は、ドイツ軍支配化のポーランドを舞台にした作品だ。
(註)抵抗三部作:世代(1954)、地下水道(1956)、灰とダイヤモンド(1958)

概要 - 地下水道(Kanał)

物語の殆どが薄暗い地下水道という、閉塞感の中で展開される・・・
1944年の第二次世界大戦末期のワルシャワを描いた作品。ポーランド国内軍やレジスタンスした人々による武装蜂起であるワルシャワ蜂起(ほうき)が行われたが、ナチス・ドイツ軍による攻撃で追い詰められ、ワルシャワの街は、ほぼ破壊され、レジスタンス(抵抗)運動をした15-25万人程もの市民が虐殺されたともいわれる。
ワルシャワでのレジスタンス活動の裏にはソ連軍の存在があった。ワルシャワ目前まで進軍してきたソ連軍の支援を期待してワルシャワ蜂起は起こったのだが。
そのワルシャワ蜂起の中の一つに、ザドラ中尉の率いる中隊は、究極の戦時の事態の打開のため、地下水道を通り、市の中心部に出て活動を続ける・・・
この作品では、英雄もなく、映画的な見せ場もなく惨めな結末を迎える。
そこには、無気力さと共に脱力感を覚える・・・
しかし、そこには、生にしがみつこうとする人間の凄まじいまでのエネルギーを感じる。その無気力さと共に脱力感の中から、エンターテイメント性を感じる。

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Kanał

解釈 - 地下水道(Kanał)

1944年の第二次世界大戦末期のワルシャワを描いた作品。ポーランド国内軍やレジスタンスした人々による武装蜂起であるワルシャワ蜂起(ほうき)が行われたが、ナチス・ドイツ軍による攻撃で追い詰められ、悲惨な最終段階に達する。
ワルシャワの街は、ほぼ破壊され、レジスタンス(抵抗)した15-25万人程もの市民が虐殺されたともいわれる。
ワルシャワ蜂起は、レジスタンス活動の裏には、援軍としてのソ連軍の存在があった。

(註)ワルシャワ蜂起は、以下の灰とダイヤモンドに記してございます。

そのワルシャワ蜂起の中の一つに、ザドラ中尉の率いる中隊は、究極の戦時の事態の打開のため、地下水道を通り、市の中心部に出て活動を続ける方向にあった。
夜になり、その中隊は地下水道に入っていくが、しかし、膝元にまで達する汚水と強烈な臭気が隊員達を分断し、精神を徐々に蝕んで行く。
その後は、離ればなれになり、ある者は発狂し、またある者は暗闇と悪臭と恐怖心に耐え切れず、マンホールから外に出てドイツ軍に発見され、射殺される。
負傷したコラブと、彼を助けて道案内してきたデイジーの2人も、やっと出口を見つけたと思ったのも、つかの間、そこは河へ注ぐ水路であった。

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Kanał

また、先を行くザドラ中尉と隊員(記録係)の2名は、遂に目的の出口を見つけたが、出口には頑丈な鉄柵が張られ、爆薬が仕掛けられていた、ソ連軍が助けに来るであろうはずの、対岸を見つめるが、途方に暮れる・・・

ザドラ中尉は、他の隊員たちが自分たちに着いて来ていないことに疑問を抱き、唯一自分に着いて来た隊員を問いつめる。その隊員は、非道にも、自分が助かりたいが故に他の隊員を置いて来ていたことを知る。
ザドラ中尉はその隊員を射殺する。そして再び暗い地下水道へと戻って行く・・・・

ANAL (Kanal), de Andrzej Wajda, 1957 - Trailer


抵抗三部作の2作目

地下水道は、アンジェイ・ワイダ監督を著名にした、抵抗三部作の2作目だ。

そして、1957年、第10回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞。

この先、ランダムになりますが、抵抗三部作の1作目「世代」に続きます。

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