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Kindleで読める哲学書(2):トマス=アクィナス

<上の写真はパリ・ルーブル美術館にあるトマスの肖像です。向かって右側にプラトン、左にアリストテレスがいます>

Kindleで読める哲学書シリーズ(2)なんですが、ふと思って中世の最高峰トマス先生においでいただきました。ところが、Kindleで読めるトマス=アクィナスの著作は極めて限定されています(つまり電子書籍で読める著作はほぼないと思っていただいてよろしい。読めるものは後で紹介します)。あるのは、研究書、もしくは概説書です。それでも多いわけではありませんけれど・・・その中でも、東京大学の山本芳久先生のこちらは、珠玉のできです。こういう言い方をすると誤解があるのかもしれませんが、国立大学の東京大学で、積極的にキリスト教を語る教員はこれまでも何人かいましたけれど、カトリックからの発言は多くはなかったと思います(無教会・プロテスタントのひとは何人かいました。カトリックですと、名誉教授の宮本久雄先生がおられました)。山本先生は、それを積極的にされる数少ない方でしょう。

トマスといえば『神学大全』ですが、この著作についての解説書がこちら。

稲垣良典は九州大学名誉教授、トマスの主著である『神学大全』の邦訳完成に尽力された方です。トマスそのものに接近するなら、こちら。

要するに、日本語のKindleではトマスのテキストをろくに読むことはできません。しかし、英語なら、極めて安価に、極めて気軽に、接することができます。

値段は間違ってはいません。337円です。ちょっとこれなら買ってもいいんじゃないでしょうか。読みこなすのは、極めて難しいと思います(トマスの著作を何語であったとしても全て読んだことのあるひとは日本人では数人しかいないのではないでしょうか)。とはいえ、ちょっとでも読んでみたくなるのは当然のことであると思います。探して見ましたら、こちらに収録されていました。

上記の『中世思想原典集成 精選6』のなかに以下の作品が収められています。

「聖書の勧めとその区分」

「聖書の勧め」

「知性の単一性について──アヴェロエス主義者たちに対する論駁」

もちろん、これらはトマス先生の著作のほんの一部の一部なので、日本語の世界においても、もっと電子書籍でも読めるようになったらいいなと思います(言うまでもありませんけれど、一般的な書籍でしたらトマスの作品、研究書は数多く出ています)。


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