【北海道開拓の思い出】#30 兄の結婚
兄が兵隊から帰ってきてお嫁さんが決まり、家でも明るい話が出始めた。何もない時代だけれど、我が家でもできるだけのことをと思ったのだろう。まずお膳を20組とお椀もそろえて注文した。お膳の裏に窪野という名も漆で書いてもらった。結婚式のお料理は今まで飯場のご飯炊きをしていたご夫婦の谷脇さんにお願いすることになった。谷脇さんは若い時は連絡船のコックをやっていたという人で、プロのコックさんだ。私は初めて見る懐石料理のお手伝いをさせてもらった。
もう何日かしたら兄のお嫁さんが我が家に来る