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【北海道開拓の思い出】#23 学徒動員と山の中の生活

山の中の仕事では大豆ご飯を1週間おかずなしで過ごした。みそ汁とどんぶりに一杯のほとんど大豆のご飯。みそ汁はわかめで、それを1週間食べた。お腹が空いているので、それがまた美味しかった。

1週間お風呂も入らなかったが、そんなものだと思えば平気だった。校長先生がシャツを見てくれと持って来た。びっしりシラミが付いていた。先生だけでなく皆シラミが付いているのだから、何も驚くことがなかった。小さなシラミを爪でつぶして、またそれを着なければならない。シラミの卵がビッシリついていると、すぐまた増える。頭に付くのは黒いシラミ、体に付くのは白いシラミ。人間の生血を食べているから、栄養満点でどんどん大きく増えたのだろう。

1週間で家へ帰れる日が来た。朝の食事が終わったら、ほんの2、3枚着替えが入っている風呂敷を持って、みんな帰りは走るようにして帰った。ずいぶん遠いと思っていた道は帰りは何時間もかからないで家に着いた。


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