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見ているだけで元気が出てくる!マティスの絵の魅力


仕事に家事に育児に、忙しくて疲れていても、気持ちだけは元気になりたいですよね!

そんなときにぴったりな名画が、アンリ・マティスの作品です。
明るくて、楽しくて、ワクワクする!そんなマティスの魅力を存分に紹介します。

目の覚めるような色

マティスの異名は「色彩の魔術師」。
とにかく色が強烈です。



上の2つは、画面のほとんどを赤が占めています。
原色を前面に出す大胆な色づかい。こんな配色は、日常ではなかなかお目にかかれません。
この華やかすぎる色味を見ているだけでも、なんだかパワーが湧いてきそうです。

画面全体を派手な色が覆っていますが、細かいところも鮮やかに塗られています。

主役は人物ですが、テーブルクロスの模様が人物と同じくらい目を引きます。


背景の壁や床、調度品までもが派手派手しく描かれています。
画面にあるもの全部が主役のようで、とっても賑やかな雰囲気です!

今にも動き出しそうな「線」

マティスの場合、色づかいは派手でもどぎつい感じはしません。
それは、色の強さと「線」の躍動感が良い感じに調和しているからでしょう。

特に活き活きしているのが人体の線!
画面いっぱいに引き延ばされてたり、

身体が画面から飛び出しそう!


かと思えば画面の途中で大胆に切られてたり、

寝顔がクローズアップされ、女性がゆったりとくつろいでいるのが伝わってきます。


丸まってたり

女性が着ているのはルーマニアの民族衣装風のブラウス。
肩が盛り上がっているのが特徴的です。


角ばってたり

肩や腰の鋭い線が目を惹きます。


輪郭線がとてもダイナミック!
鑑賞者をのびのびとした気分にさせてくれます。

線の魅力をさらに堪能できるのが、切り絵の作品です。

サーカスの空中ブランコを表しています。


サーカスの団員がナイフを飲み込んでいます。


形がものすごく単純化され、抽象的すぎて何を表しているか分からないものもあります。
しかし、表現がシンプルだからこそ画面にメリハリが効いていて、対象の活き活きとした動きが伝わってきます。

躍動的でリズムを感じるマティスの線。見てるとなんだか踊り出したくなってくるのは、私だけではないはず…!

名作の裏にある「不屈の精神」

こうしてみると楽しげな作品ばかりですが、マティスの人生にも苦難がありました。

おそらくその最たるものは、大病で油絵を描けなくなったことでしょう。
マティスは71歳で十二指腸ガンを患い、後遺症のため車椅子生活となりました。

もはや筆で絵を描くことは困難でしたが、彼は芸術を諦めませんでした。
油絵の代わりに切り絵を始めたのです。
切り絵なら型さえ作ってしまえば複製もできますし、一から絵具で描くより制作工程が少なくて済みます。

マティスは切り絵について「切り紙絵は色彩で描くことを可能にしてくれた。輪郭線を引いてから中に色を置く。…その代わりに、いきなり色彩で描くことができる。」と述べています。
油絵ができないことを嘆くのではなく、新たな表現の可能性に目を向けていたのです。
不自由な身体に鞭を打ち、ときにはベッドの上で熱心に制作を続けました。

マティスの切り絵を見ていると、その前向きな姿勢に励まされる思いがします。

「良い肘掛け椅子」のような心地よさ

マティスは自身の目指す芸術について、「疲れを癒す良い肘掛け椅子のような芸術」と語りました。
その言葉どおり、彼の作品は、消耗した私たちの心を癒し活力を与えてくれます。



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