Arts United Fund(AUF)

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AUFはコロナ拡大で活動が制限されている芸術文化関係者を支援します。 応募ページhttps://www.info.public.or.jp/auf  クラウドファンディングサイトhttps://camp-fire.jp/projects/view/271390

最近の記事

Vol.62 撮ることで起きること、生まれるもの 菅原康太さん(写真家)

——菅原さんは、広告などのクライアントワークとご自身の作家活動を併行されていますが、どういった経緯で今の活動スタイルになったか教えていただけますか。 学生時代から、写真教室に通ったり、写真家の事務所でアルバイトしながら、写真を撮り始めました。最初はジャーナリズム志向もあって、新聞社や出版社、テレビ局を進路に考えていたんですが、面接を重ねていくうちに、自分は記事を書くことより写真に興味があると気がついたんです。それで撮影スタジオのスタジオマンになりましたが、すぐに辞めてしま

    • Vol.61 オペラ歌手になるという夢をかなえる方法 藤井麻美さん(オペラ歌手)

      ——藤井さんのオペラとの出会いを教えてください。 小学生の時に学校で合唱をやっていたんです。4年生から始めてコンクールに出場したりしていました。そして中学生になる時に新しい土地に引っ越すことになり、入学してすぐにあった音楽の時間で、自分の小学校の校歌を歌うという機会がありました。他所の土地から来た私は一人で校歌を歌いました。そうしたら音楽の先生が「合唱コンクールでソロを歌いませんか?」と言ってくれて。それで「また合唱ができるなんて嬉しい!」と。3年間歌って、やはり自分は歌

      • Vol.60 作曲家の使命は、聴き手のための橋を架けること 夏田昌和さん(作曲家)

        ——夏田さんは非常に専門的なバックグラウンドを持ち、今では後進を育成する立場です。一方で、アマチュアオーケストラやシニア・コーラスを指揮されるなど、幅広く音楽に携わられています。聴衆との関係性をどのように考えてらっしゃるのか、まずお聞きかせください。 クラシックだと作品と聴衆の間に、だいたいの共通理解があるわけですよね。現代音楽の場合にはそういう前提がないのが大変なところでもあり、面白いところでもあったりします。じゃあ、今初めて会った人とどうやってコミュニケーションするか?

        • Vol.59 「思考音楽」——哲学書を読むように、聴いて考える音楽 渡辺裕紀子さん(作曲家)

          ——プロフィールを拝見すると、小さい頃から作曲とソルフェージュを習われてたそうですが、いわゆるクラシック音楽、現代音楽を意識するようになったのはいつ頃だったんでしょうか。 小さい頃からピアノをやってたんです。ソルフェージュを低学年ぐらいから始めて、現代音楽に触れたのは多分、地元の長野・松本でやっていたサイトウ・キネン・フェスティバル松本(現セイジ・オザワ 松本フェスティバル)がきっかけです。小澤征爾指揮でオネゲルのオペラ『ジャンヌダルク』をやったんです。子どもの合唱でオーデ

        Vol.62 撮ることで起きること、生まれるもの 菅原康太さん(写真家)

          File.58 雅楽の真髄、伝統を、新しい方法で  真鍋尚之さん(笙演奏家/作曲家)

          ———真鍋さんは雅楽に出合う前から、現代音楽の作曲をされていたんですか。 そうですね。現代音楽の作曲をやっていましたが、日本人なので日本のものもやりたいという気持ちは、中学生、高校生ぐらいのころからありました。当時はインターネットがなくて、雅楽の本もほとんどなかったですし、どこで楽器を売ってるとか、習えるという情報も全くなかったんですね。そんな中、進学した洗足学園大学(現・洗足音大)に仏教音楽の声明のレコードがたくさんあったので、そればっかり聴いていました。 日本の伝統音楽

          File.58 雅楽の真髄、伝統を、新しい方法で  真鍋尚之さん(笙演奏家/作曲家)

          Vol.57 経験をつくりだし、記憶を遺すインスタレーション 井口雄介さん(美術家)

          ——井口さんは大学で建築を学ばれた後に、大学院の博士課程で彫刻を専攻されました。そうした背景も踏まえて、ご自身の作品づくりについてご紹介いただけますか。 ざっくりと同じ立体ということで、建築を学んだ後に彫刻に取り組むようになってみたものの、僕の作品は「建築」とも呼ばれないし、「彫刻」でもないんです。「インスタレーション」というのがいちばん近いんですが、一口にインスタレーションと言っても、たとえば映像インスタレーションという言葉もあればプロジェクションマッピングのようなもの

          Vol.57 経験をつくりだし、記憶を遺すインスタレーション 井口雄介さん(美術家)

          File.56 コロナ禍で一大決心し、目指すスタイルとは? 蕪木光生さん(ピアニスト/作曲家)

          ——蕪木さんがピアノを始めたのは23歳で脱サラしてからなんですね。なぜそのタイミングで、まったく新しいチャレンジをしようと思い立ったんでしょうか。 遅く始めたので、苦労しました。実は親がミュージカル劇団をやっていて。それに反発して普通に会社員になったんですが、23歳のときにピアノに出会い、直感で「ピアノの道に進もう」と。若かったのもあって、勢いで、直感で飛び込んでしまったという感じです。 ——このアーティストに憧れたというような、具体的な名前やアルバムはありますか。

          File.56 コロナ禍で一大決心し、目指すスタイルとは? 蕪木光生さん(ピアニスト/作曲家)

          File.55 映像を通して人と、社会と向き合う 飯塚 聡さん(TV ディレクター/映像作家)

          ——映像の仕事を始められたきっかけからお聞かせくださいますか。 いま現在の実家は父の故郷である島根県の出雲ですが、小学生の途中まで奈良県奈良市で生活していたので、原体験は関西にあります。その後、出雲で高校まで過ごしました。出雲では近所にメジャー系の映画館しかなくて、たまに『エイリアン2』(86)などを興奮して観ていましたが、大学に入ってから東京のミニシアターに足繁く通うようになり、当時評価が高かったニュー・ジャーマン・シネマの作品や小津安二郎のリバイバル、台湾ニューウェーブ

          File.55 映像を通して人と、社会と向き合う 飯塚 聡さん(TV ディレクター/映像作家)

          File.54 無理しないで、前進する。 髭野 純さん(映画プロデューサー)

          ——子どもの頃から映画好きだったのですか。 実家は埼玉なのですが、中学生の頃、親に東京に連れていかれたときに、せっかくだから映画を観て帰りたいと思い、一人だけ残って映画館へ行くことがありました。また、ちょうどその頃、インターネットのmixiが流行し、いろんな方が個人ブログで映画の感想などを書くことが増えてきたんですね。そういうところで仕入れた情報をもとに、地元のレンタルショップでかたっぱしから映画のDVDを借りる、という生活を送っていました。中学生にもかかわらず、そういう人

          File.54 無理しないで、前進する。 髭野 純さん(映画プロデューサー)

          File.53 大変で、面倒で、美味しい「テノール」 渡辺大さん(テノール歌手)

          オペラはさまざまな楽しみ方ができる芸術だが、その根幹は「歌う芝居」である。したがって、最も重要な要素のひとつは「オペラ歌手」の存在だ。なかでも一番の花形は輝かしい高音を持つテノール。だが、テノール歌手にはほかの歌手たちにはない苦労があるともいわれている。渡辺大さんは「真正テノール」と呼びたくなるような純粋な美声の持ち主だ。もともとは一般の大学に通うジャーナリスト志望の学生だった渡辺さんが、なぜテノール歌手になったのか、そしてテノールにはどのような大変さがあるのかを教えてくれた

          File.53 大変で、面倒で、美味しい「テノール」 渡辺大さん(テノール歌手)

          File.52 原因不明の「音が出ない」からの復活、ジストニアとの闘いで見つけたPDCA  沼田司さん(バストロンボーン奏者)

          オーケストラや吹奏楽、ビッグバンドなどで幅広く演奏するほか、編曲家やコンクール審査員としても活躍してきたバストロンボーン奏者の沼田司さん。45歳頃からジストニアを患い、一時は演奏できない状態になりながら奇跡的な復活を遂げ、現在は再び演奏と指導に活躍している。闘病を通じて、楽器演奏・指導全般に通じる発見もあったという。まだまだ情報が少ない難病との闘いをどのように乗り越えたのか、その始まりから現在までを丁寧に語ってくれた。 取材・文=鉢村優(音楽評論) ——まずジストニアとはど

          File.52 原因不明の「音が出ない」からの復活、ジストニアとの闘いで見つけたPDCA  沼田司さん(バストロンボーン奏者)

          File.51 学び、感じる「オケマン」の暮らし 中舘壮志さん(クラリネット奏者)

          若手クラリネット奏者の中舘壮志さんは中学校の吹奏楽部でクラリネットを始め、音楽科のある高校、音大に進学したのち2017年から新日本フィルハーモニー管弦楽団で副主席奏者を務めている。 ソロリサイタルや小編成の室内楽アンサンブルにも取り組み、さまざまなスタイルでクラシック音楽の楽しさを人々に広め、「自分自身の気持ちや考え方を音で表現する喜びを伝えたい」と後進の育成にも力を入れている。10月に予定されているソロリサイタルの話題を中心に、オーケストラ奏者としての経験がどのように自身の

          File.51 学び、感じる「オケマン」の暮らし 中舘壮志さん(クラリネット奏者)

          File.50 コロナ禍で挑む。後輩たちのために、新たな可能性のために 庄司知世さん(ホルン奏者)

          オーケストラやオペラ、アニメや映画の劇伴音楽、そしてポップスのバンドサポートなど幅広く活躍しているホルン奏者の庄司知世さん。楽器を始めたばかりの頃は指導者もおらず、情報もなかなか手に入らない生活を送っていた。現代の小中高生はネットからたくさんの情報が手に入り恵まれている反面、誤った情報を鵜呑みにしてしまう危険性もある、と警鐘を鳴らす。自身の経験を踏まえ、子どもたちに寄り添った情報発信に取り組んだコロナ禍の日々、そして多重録音という挑戦によって開かれた可能性について聞いた。取材

          File.50 コロナ禍で挑む。後輩たちのために、新たな可能性のために 庄司知世さん(ホルン奏者)

          File.49 ミュージカルもアイドル・ユニットも前進あるのみ 酒井紫音さん(俳優)

          『リトルプリンス』『泣かないで』『21C:マドモアゼル モーツァルト』などクオリティの高いオリジナル・ミュージカルを創造してきた音楽座ミュージカル。拠点とする東京都町田市出身で、音楽座ミュージカルを盛り上げようと立ち上がった3人の女優さんがいる。その一人が、酒井紫音さん。コロナ禍ではアイドル・ユニットとして独自の活動を展開し、音楽座ミュージカルのPRを展開している。入団前は音楽座ミュージカルのファンではなかったからこそ、その魅力に気づいたという酒井さんに聞いた。 取材・文=今

          File.49 ミュージカルもアイドル・ユニットも前進あるのみ 酒井紫音さん(俳優)

          File.48 「オリジナルな音」から立ち上げる演劇空間 池田野歩さん(音響デザイナー)

          ロロや範宙遊泳、カンパニーデラシネラなど気鋭のカンパニーとともに作品を創る音響スタッフとして信頼を集めつつ、ときにインスタレーションや映像作品の音響も手がけるなど幅広い活動を展開する音響デザイナー・池田野歩。その音はどこに連なりどこに向かうのか。演劇との出会いから今後の展望までを聞いた。 取材・文:山﨑健太(批評家・ドラマトゥルク) ————————————— (写真上)『スワン666』(18)より、水中に沈めたマイク —— 演劇に関わるようになったきっかけを教えてください

          File.48 「オリジナルな音」から立ち上げる演劇空間 池田野歩さん(音響デザイナー)

          File.47 誠実に、貪欲に、「演劇」で勝負する 淺場万矢さん(俳優/演出家/プロデューサー)

          淺場万矢さんは羽目も外せる華のある役者さんだ。それでいて、時折ただよわせるアングラな匂いや和の香りが、華やかさの下に隠れている侮れなさを感じさせる。所属する劇団柿喰う客の公演はもちろん、多彩な演出家の舞台で活躍している淺場さん。それらが稼働できなくなったコロナ禍だったが、自身が率いる演劇ユニット「時速8次元」(2015年旗揚げ)で新たな表現の可能性を見出しているようだ。 取材・文=今井浩一(ライター/編集者/Nagano Art +)————————————— (写真上)『野

          File.47 誠実に、貪欲に、「演劇」で勝負する 淺場万矢さん(俳優/演出家/プロデューサー)