38.羊と鋼の森(宮下奈都)感想・考察

宮下奈都さんの『羊と鋼の森』を読みました。
2016年の本屋大賞作品です。
ピアノの調律師の話で、248Pとやや短め。
前回読んだのが『蜜蜂と遠雷』というピアノコンクールの話だったので、立て続けにピアノの話を読みます。
正直別にピアノ好きというわけではないのですが、とりあえず本屋大賞全部読むかと思い購入。

こっからネタバレ(ネタバレという作品でもないから読んでなくても見ても良い ※酷評多め)
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文章と世界観が綺麗。
主人公の独特な感性が面白く、そこに関わる個性的な人たちを調律という仕事を通して描かれていました。
調律という仕事を知れたとともに、こういう感性の人達を描いた作品は今までになかったと思います。

しかし、、、物語の平坦さがすごい。
そういう作風だし、あえてやっているのかもしれませんが心が動くところがあまりにも少ない。
綺麗な文章を読みたい方は良いと思いますが、読み進めるにはあまりにも退屈なストーリーでした。
文章力があるから読めるというだけで、昔の本屋大賞というのは作品の雰囲気で選んでいるのか?と思ってしまいます。
例えば本好きの人に「『羊と鋼の森』が良い!」と勧めたとしたら、結構本に対するハードルが上がって純粋な気持ちで楽しめないだろうなと思う。
私の本を読む目的は二つあって、
①自分の知らない世界が知りたいということ。
②心を揺れ動かしてほしい。
前者にあたる部分は満足できたのですが、後者に対しては何も感じない作品でした。主人公を応援したい気持ちはあるのですが、感情移入はできないんですよね。
もしかして本屋大賞は昔に行くにつれて、玄人向けの本が大賞取っちゃうのかなあ…。

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