50.アクロイド殺し(アガサクリスティ)感想考察

アガサクリスティの『アクロイド殺し』を読みました。
1926年刊行。エルキュール・ポアロシリーズの3作目となります。
wikiを見ると、めちゃくちゃなネタバレが乗っているので読む予定の方は注意。
これまでアガサ作品は『オリエント急行殺人事件』と『そして誰もいなくなった』だけ読みました。

評価高い順に読んでいるのですが、アガサ作品で大体2位付近にランクインしていたり
これだけは読んどけというミステリーにもランクインしているので
必修科目として読んでいきたいと思います。

こっからネタバレ(犯人まで書くので注意)
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なるほど~そりゃ勧められるわけだ。
これはネタバレを喰らうと楽しめない。

本作は語り手であるシェパード医師が犯人という大オチがあるのですが、正直私は半分くらいで気づきました。
気付いた箇所は、ラルフ・ペイトンに動機が3つもあるのがおかしいとポアロが言うところです。
フェラーズ夫人が脅迫されて金銭を2万ポンド取られたの辺りで確信。
めちゃくちゃシェパード医師が脅迫してそうだなと思って、犯人に当てはめたら全て動機も文章記述の違和感もスッキリします。
ミステリー慣れしすぎていたのと、似たような形式のミステリーを読んだことがあるから気づいてしまう。(作品名は伏せます)

しかし、これを100年前の作家が書いているというのが衝撃。
そもそも、他の登場人物が隠し事をしている中身と、それによる供述の変化ですら面白いのに大オチが素晴らしい。

発表当時は、一部の読者や作家からアンフェアだと言われているようですがまあそうでしょう。
叙述トリックものは読者を騙そうと書いているわけだからフェアなわけないですね。
ヴァンダインの二十則でも"作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけない"とあって叙述トリックを否定しているようです。
それでも全20章からなるシェパード医師の手記には嘘は書いていないというのも事実です。
私個人としては、面白ければ別に問題にすることでもないと思います。

相変わらずアガサ作品は登場人物の多さで序盤は混乱しましたが、後半はするする読めました。
それにしても100年前の海外作品なのにも関わらずクオリティが高い。
そりゃミステリーの女王と言われるわけだと感心します。
評価が高い『ABC殺人事件』辺りも読んでみたいと思います。

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