チャンスの期限

部屋の中が黄金色に照らされて、今日もまたあっという間に朝を迎えた。

私にとって、カーテン越しに主張し始める朝日が寝る時間の合図だ。 眠る前の腹ごしらえには向かないと、冷蔵庫にとっておいた残りのマカロンを食べてしまいたくなった。

私は我慢ができない。

「我慢出来ない

天然記念物になろう
なにも人と違うことをしようとか
なにかすごいことかましてやろうとか
しなくても
ただキミがそこに真っ直ぐに
立っていればなれる

人から見て、立派な自分じゃなくたって、生きてていいし、立派になりたいと思うまで適当に生きたっていい
適当っていうのは決して投げやりとかではなくて、自分にとって快適とか心地いいとかそういうの
急がなくていい

プロローグのまま終わった恋

彼と初めて会ったその日は、居酒屋さんで一緒に食事をした。
お店を出た後、近くに止めてあった私の自転車を、まるで自分の物みたいに押しながら歩き出した彼を思い出して、今でも胸がきゅんとする。

そのまま最寄り駅の前まで歩いて、次いつ会える？なんて話をして、「じゃあね」と言って別れた。　　　　　　　　　　　　　　　　　自転車を漕ぎ出してスグ、駅に向かっているであろう彼の方を振り返る。　　　　　　　

あ