見上げれば、僕たちは、
「いらない」
まただ。また言ってしまった。分かっているのに、気持ちとは反対の言葉を投げてしまう。投げると言うより、落っことしてしまうと言った方が適切かもしれない。
「わかった」
彼はなんとも言えない歪んだ表情を浮かべて立ち上がり、私に背を向けて玄関へと向かって行く。その表情が、背中が私を泣かせようとつつく。辛い。それなのに、私は自分に嘘をつく。自分を傷つけるだけの、意味のない嘘をつく。
今朝、変えたばかりのシーリングライトが部屋を照らしている。
1人だけの部屋には、明るすぎる