世界でもっとも野蛮な生き物

みなさん、お元気ですか?たかとです。

先日、『サピエンス全史』という本の「上」を読みました。
まだ上巻だけですが、ちょっと書きたくなったので書いちゃいます。

この本、ものすごく売れている本で、いつか読みたいと思っていたのですが、今日までだらだらと遅れてしまいました。
今回は、『サピエンス全史(上)』だけを読んで、感じたことを書きたいと思います。

サピエンス全史ってどんな本?

この本は、題名の通り、「サピエンス」という種族についての歴史を書いている本です。サピエンスとは、我々人間(今生き残っている人間)にあたります。正しくは「ホモ・サピエンス」といいます。

その昔、人類が姿を現し始めたころ、我々の祖先であるサピエンス以外にも、ネアンデルタール人などをはじめとする種族がいたそうです。

特にネアンデルタール人は、サピエンスよりも体が大きく、また脳の容積も大きかったそうです。
しかし現代、ネアンデルタール人はどこにも生き残っていません。
なぜか、それはサピエンスが自分たちよりも強く賢い彼らを出し抜いたからです。

当時、ネアンデルタール人以外にも様々な種族がいたそうですが、サピエンスが移動して彼らと遭遇するたびに、それらの種族はひとつずつ姿を消していったそうです。
そこで、浮上する説の一つが、「サピエンスは他の種族をすべて滅ぼして回ったのではないか」というものです。

もしそうだとすると、サピエンスは世界一恐ろしく、そして強い種族であるということになります。
(ちなみに、全ての種族と融和して現代の僕たちが存在しているという説もあります。)

なぜ、サピエンスは天下を取れたのか


なぜ、サピエンスは天下を取れたのか、その最大の理由は「想像上の秩序」を生み出したからだと言います。
「想像上の秩序」とは
僕たちが認識していることで存在しているもの」
ということができます。

わかりやすくするために「トヨタ自動車」と「重力」を思い浮かべましょう。

「トヨタ自動車」という会社の存在を知らない日本人は多分いないでしょう。
あなたは今日「トヨタ自動車」の株を100万円分お祖父さんから譲り受けました。とっても嬉しいですね。
しかし次の日、目覚めてみると、世界中の誰も「トヨタ自動車」など知らないと言います。するとたちまち、あなたの持っていた100万円の株は存在しないものとなってしまいます。
誰もが「トヨタ自動車」を知らない世界では、「トヨタ自動車」は存在しないのです。

ところが「重力」の場合はどうでしょう。
ニュートンがりんごが木から落ちる様を不思議に思うまでは、誰も「重力」の存在など知らなかった。
では人々はプカプカと宙に浮いていたのか?いいえ、「重力」なんて知らなくても、人はみな地面に立っていたし、りんごも猿も木から落ちていたのです。

「想像上の秩序」はなぜ革命的だったのか

皆さん今の世の中を考えてみてください。

朝起きて、会社に行ってお金を稼いで、お金を払ってご飯を食べる。お正月になると神社に行って初詣。クリスチャンならクリスマスは家族と過ごす。
会社、お金、宗教、さらには国家や人種といったあらゆるものは、想像上の産物です。

僕たちが今、大切にしたり一喜一憂する種となったりしているものは、たいてい本来は存在しない、我々サピエンスによって造られたものではないでしょうか。

「想像上の秩序」それは強い結びつきを生み出します。
同じ国家に属する人々は基本的に団結し、出身地まで同じなら初対面でも打ち解けるのは早い。いい大学を出れば出世が早かったり、同じ神を信じているもの同士は互いに手を取り合う。

この「想像上の秩序」に起因した人々の繋がり、団結を僕たちは社会と呼ぶ。
そして、それこそサピエンスが作った最も邪悪で革命的なものなのです。
だから、サピエンスは自分たちよりも巨大で凶暴なマンモスやライオンを抑えて生態系の頂点に君臨することができたのではないでしょうか。

終わりに

他にもたくさん興味深いことが書いてあります。今後、僕にとって、あらゆる分野の参考文献になるでしょう。
上巻を読んだだけでも、この本が名著と言われる理由がわかります。

今まで、特定の国家や民族に焦点を当てた歴史書などはたくさんありましたが、僕たち人間=サピエンスの繁栄に焦点を当てて、一から論じる本はありませんでした。(僕が知らないだけかもしれません)

この本を読むと、自分が信じているもの、目標にしているもの、悩みの種になっているもの、固執しているものすべてが、本来存在しないものであるということに気づかされます。

諸説はあれど、人間の本質を知ることができる本ではあると思います。
下巻も読んでから、また改めて感想を書きたいと思いますが、今回はこのあたりで失礼します。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
では、また。


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