《ふわふわショートストーリー》踊ろ!
ふわぁ〜あ、
でかいあくびがでた。
するとふわふわ〜んとしたモノになった。
「こんにちは!暇してるね。」
「ん?!」
見れば、ふわふわになんと顔がついている。
女の人、しかも、爽やかな美女?
「ほら立って立ってー!いくよ?」
「!?!へ?」
そこへ音楽が。
リズムのいい、体が自然と動き出したくなるような曲が流れだした。
「ほら、踊ろう!!」
あくびからでたふわふわした美女がもわもわ動き出す。
すると、だんだん、体の形が現れてきた。
リズムに合わせて美女が踊るたび、体のラインがみえてくる。
とにかくとっても素晴らしいラインらしい。
「ほら!こうやってみて!」
腕をあげ、背中を見せながら軽く踊っている。背中から腰、お尻、脚までとても美しい。
うっとりするダンスと体に只々ぼけっーと見惚れていると、
「さぁ、踊ろうよー!」
そう言ってにこやかに私の手をとる。
「好きに踊ればいいんだよ!」
そう言われましても…。
しかし、なんとなく気分が乗ってきて、見よう見まねで踊りだす。
「そうそう!楽しいねー!」
美女はますますかっこよく踊り出す。
私は汗をかきかき、真似をする。
「あはは…、なんか楽しくなってきたー!」
滅茶苦茶ながら体を動かすと、心も弾んできた。
「でしょう?!もっともっと踊るよー!」
私は心と体の動きたいままに踊り続けた。
美女は私をみつめたり、手をとってくれたりしながら、クールにセクシーにダンスする。
私も夢中に踊る。気分は爽やかな美女で。
どのくらいの時間が経ったのか、
「はぁ…、さすがに疲れてきちゃった…。」
私がそう言うと、
「楽しかったね!また会おう!」
そう言って、美女のふわふわは消えてしまった。
「あ!…いなくなっちゃった…。楽しかったな…。」
謎に包まれた出来事だったが、とても楽しかったので、少し寂しくなった。
汗を沢山かいた私はお風呂へと向かった。
そこで鏡をみた私は驚いた。
私は、
あの美女のようになっていた。
その素晴らしいラインに思わず腕をあげ、ポーズをとって、
「ねぇ、踊ろう!?」
と爽やかに言ってみた。
と、そこで、ハッと目が覚めた。
「……。」
完
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