見出し画像

読書・映画・美術館

2月後半に読んで面白かった本と観た映画と行った展覧会などのことを書きます。



【読書】「プロジェクト・ヘイル・メアリー」

去年から積読していたのですが漸く読みまして面白すぎてあっという間に読了してしまいました。

グレースは、真っ白い奇妙な部屋で、たった一人で目を覚ました。ロボットアームに看護されながらずいぶん長く寝ていたようで、自分の名前も思い出せなかったが、推測するに、どうやらここは地球ではないらしい……。断片的によみがえる記憶と科学知識から、彼は少しずつ真実を導き出す。ここは宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号――。
ペトロヴァ問題と呼ばれる災禍によって、太陽エネルギーが指数関数的に減少、存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動。遠く宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放った……。

(あらすじより)

私は化学や物理に疎く数字が嫌いなのですが、本書は上巻半分まで数字の羅列が多く10分ごとに眠くなってしまいました。でも主人公の(疎い人にも分かりやすい)丁寧な説明があったのでなんとかついていくことができました。
そして、そして!
上巻後半からの話の展開が面白くて一気に下巻へ進み、半日ほどで読み切ってしまいました。
SFでファースト・コンタクトモノ(帯にそう書いてあったからネタバレにはならない筈?)なのですけど、後半はとても人情味のあるストーリー展開でユーモアあり感動ありで2度ほど泣いてしまいました。

読書で久しぶりに味わう充実感だったなあ。
(もともとダークなミステリー小説が好きだから、ここまでエンターテイメントに飛んだ作品は今まであまり読んでいなかったというのもある。)

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」はSF好きならどんな人にもお勧めできる作品だと思いました。

著者アンディ・ウィアーの作品は「火星の人」が「オデッセイ」としてマット・デイモンで映画化されています。
「オデッセイ」は昔一度見たのですが「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んだ後にまた観てみました。リドリー・スコットらしい映画で面白かったです。やっぱりハリウッドでSF撮らせるならリドスコですよね!
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」も映画化が決定しているということですが、途中から結末まで息つかせぬ展開が絶対映画向きだと思います。
主演はライアン・ゴズリング、制作はLEGOムービーの方?キャラクターやメカ造形では期待できるけど、ストーリーテリングはうまくいくんでしょうか?(リドスコに撮って欲しい)

そういえば
私は大体映画を観てから原作を洋書で読むことが多いんですけれど、今回は先に翻訳書を読んでしまったので、映画をどう見るかも考えないといけないなと思ってます。
映画は出来たら先入観なしに見たい派で、原作と違うじゃん!とか思いたくないんですよね。
いずれにしても映画化を楽しみにしておきたいと思います。

自分の中で今読書熱が高まっていて、今週は海外ミステリー中心に15冊ほど購入しました。
とことん気が滅入っている時って、読書していても文字がすべってしまったり、頭に物語が入って行かなかったりするので今はそういうこともなく体調も上向きなんだと思います。

読了してお勧めしたい本があったらまた次回書きたいと思っています。


【映画】「カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし」

邦画は年に数本ほどしか観ないのですが、今回はタイミングよく角野さんのドキュメンタリーを観ることができました。

角野さんのお話は読んだことがないですしアニメも観たことがないので作品からではなく、御年88歳の作家としての生き方や考え方に興味がありました。
大きな笑い声をたててにこにこしていらして、その前向きな気持ちがお顔にあらわれているなと思いました。そしてそれがきっと心身の健康にもつながっているんだと思いました。
執筆は自分が楽しいと思って行うことをモットーとしているとのこと。こんなお話が読者に受けるだろうとかそういうことより自分が書いていて気持ちが良いという事を大事にしているそう。
当たり前なんだろうけど、とことんそういう気持ちになって執筆に専念できるというのは角野さんにとって児童文学作家というのは本当に天職なんだろうなと思いました。

カメラが切り替わるたびに、違う眼鏡をかけていらしてね、おしゃれだなと思ったら作品が完成するたびに自分のご褒美として新しい眼鏡を購入するそうです。
とってもいい。励みになりますよね。

そしてカラフルな眼鏡とカラフルなお洋服で、軽快な足取りでお出かけもされるんです。
私も見習いたい。
まず出かける習慣をつけよう(笑)
引き籠っていてはどうもいろんなことを考えすぎてしまうし、出かけないと服にも関心がいかなくなるんですよね。
実は
角野さんの映画を観た日は次に綴る展覧会へも行った日でして、ひとりで出かけるのが昨年11月26日のXGコンサート以来で二か月半ぶりだったんです。
一人での外出、とても楽しかった。
映画も展覧会も良かったけれど、スタバで2時間ぐらいコーヒー飲みながら本読んだり人間観察できたのも嬉しかった。
また来月もお出かけしようと思いました。

映画を観たアップリンク京都は新風館の地下にあります。

新風館も随分と変わりました。
外装はそのままで、お洒落なショップが出来ていてホテルも併設されていました。
ショップがね、花屋+ドリンクバーだったり、本屋+野菜販売していたりちょっと不思議なお店が沢山あって、へええって感じで眺めていました。
場所柄半分ぐらい外国の人たちがいましたね。観光客なのかな。次の展覧会も欧米系の外国の方が多かったですよ。

それにしても
すっごく久しぶりに映画館で映画を観たのですけど、映画チケットって随分高くなりましたね。こんなに高くなっちゃったら、サブスクでネットで観ればいいかなってなっちゃいますね。
でもあの映画館で映画を観る体験ってやっぱりいいなあ。
ネットとは没入感が全然違うし、作品によっては大画面で見る醍醐味もあるでしょうね。


【美術館】「コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより」

京都文化博物館で開催の表題の特別展へ行きました。

数年前に家族のお店でヴィンテージビーズを使ったハンドメイドアクセサリーを制作して販売していたのですが、その際にミリアム・ハスケルを知りコスチューム・ジュエリーに興味を持ちました。

ヴィンテージなコスチューム・ジュエリーの実物を見るのは実は初めてでした。
コスチューム・ジュエリーは貴金属や宝石を使った本格ジュエリーと違って、ガラスビーズや模造パール、合金等を使っている当時のいわゆるカジュアルアクセサリーなのでデコラティブで大胆な作品も多くとても見応えもありました。
カジュアルアクセサリーなのにラグジュアリーブランドの手にかかるとこんなにもオシャレで高貴に見えるアクセになるのかあ。残すべくして作られたのではない筈なので60年~100年以上経過したコスチューム・ジュエリーが現代に現存しているのがとてもすごいと思いました。
ただ合金も経年劣化していたり、ガラスビーズやラインストーンの曇り等は年代物のため展示台の上で100%当時のように煌きを放っていたかといえばそうではありませんでした。
ビーズも一つ一つ磨いていたらきっと繋ぎの糸やワイヤーが切れてしまうかもしれないし(もちろん修復もされているかと思いますが)、展示も直接作品にライトを当てるわけにもいかないでしょうから見方によってはこのヴィンテージ感が良いとされるのかもしれませんが、宝石展のようにきらっきらを期待してはいけません。
ただし、公式図録の画像はかなりきれいに加工されていましたよ。なので当時はこんな感じだったのかなとイメージするのにも図録はとても役に立つと思います。

購入した図録とハスケル作品のポストカード

私はフロアにかなりの点数があったヴィンテージのミリアム・ハスケル作品を見ることが出来てとても嬉しかったです。
ハスケルは接着剤を使わずワイヤーワークで一つ一つのビーズを組んでいるので、動きのある立体感やしなやかさを表現できたのではと想像します。
そういう意味で、平置きではなくマネキンに着用させて360度から見えるように展示して欲しかった作品が多数ありました。

今回の展覧会、現在は京都で開催中で今後名古屋、宇都宮、札幌に巡回するという事なのでご興味ある方は是非足を運んでみて下さい。(東京は終了)


家にまだヴィンテージビーズがかなりあるんですよね。
ハスケルも使っていた日本製ガラスビーズ中心に沢山購入していたんです。戦後、大阪でアメリカのコスチューム・ジュエリー用に多く製造され輸出されたガラスビーズが、時を経てまた日本に戻ってきてヴィンテージビーズとして販売をされています。
そういえば、最近また製造再開されたニュースを見た気がします。

展覧会を見たらまた創作意欲が出てきてしまいました。
お店では販売する予定はないですが、自分の為にまた作ってみようかと思いました。

先日目の手術をしたのでモノの見え方が変わってしまって、美術館でもちょっと混乱しました。鼻眼鏡にして上方向の作品見るときは裸眼、下のキャプション見るときは老眼鏡を通してみるという感じですごくおばあちゃんになった感じです(笑)
老眼鏡がかなり強いので、そのままで歩こうとするとふらついてしまうので注意も必要でした。
視力が安定したら遠近両用つくるべきかなあ。悩み中です。

二か月半ぶりの外出では、いつもの3倍以上の歩数になっていてさすがにふらふらになってしまいました。それでも5500歩ぐらい。このぐらい歩くともうしんどくてダメですね。
でも、もう次に行きたい映画と展覧会があるので3月の前半の外出を目指して体調を整えたいと思います。

ではまた。



この記事が参加している募集

SF小説が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?