浅田信一

Singer-Songwriter,Musician,Producer 猫とバイクと音…

浅田信一

Singer-Songwriter,Musician,Producer 猫とバイクと音楽 元SMILE(バンド)のボーカル&ギター

最近の記事

「ふぞろいの林檎たちII」

今見ても胸がキュンキュンするね。テレビ放映されたのは1985年だから僕は15歳かそこらで思春期真っ只中。都会や大人への憧れを抱きながらリアタイで見ていた。シリーズ2作目のこれは大学生だった主人公たちが社会に出て、様々な人間関係の中で葛藤する姿を赤裸々に描くという内容。第一話、柳沢慎吾さん演じるミノルの「大人になんかなりたくないよ。ちっとも!(泣)」というセリフが象徴的。 「ふぞろい」って今で言うところの多様性と同義語だね。昔は今よりもっと規格外=ふぞろいであることが容認され

    • 「時の流れに」

      子供の頃は、この目の前の長くて退屈な時間が永遠に終わらないんじゃないかと、早く大人になりたくて仕方がなかった。逆に大人になればなったで、今度は慌ただしく過ぎてゆく月日に翻弄されることになる。思い直してみれば時間というのは、いつも余ったり足りなかったりするばかりで、自分にとって丁度よい時の流れの中に身を置いたためしがない。 時間の流れについてニ種類の考え方があるのだと、とある有名な元大学教授が仰っていた。一つは時間軸を未来に向かって自らが進んでいるという考え方。例えば「明日に

      • 「4WDで有頂天」 愛車遍歴(四輪編)その6

        初めてもらった印税は予想もしていなかったくらいの大金だった。生まれて初めて目の当たりにした『まとまった金』というやつだ。しかしその金も青いMINIと新しいベスパ、ギターや機材、それから少しだけ広い部屋へと引越すための費用に消えてしまった。お金なんてなくなるのはあっという間だ。他は何に使ったのか憶えてすらいない。とはいえ、ローンを組んだり、どこかから借金をすることなくそれらを手に入れられたのは、それまでの暮らしを考えれば夢のような話だった。自分で言うのもなんだけれど、子供の頃か

        • 「明日の行方と青いMINI」愛車遍歴(四輪編)その5

          都市生活者にとって不必要なもの。それは自家用車だろう。移動するという目的においては電車とバスを使えば公共交通機関で十分こと足りる。逆に自分の車で出掛るとなると、駐車スペースの確保がままならず困ることも多い。それから地方とは桁違いな毎月の駐車場代を支払うのだって大変である。最近はガソリンも高騰しているし。このようなデメリットを考慮すれば、都市においては車を所有せず、身軽に暮らすというのもひとつの理想と言えるだろう。しかし、それでも僕は東京に暮らしながら車を所有している。なぜなら

        「ふぞろいの林檎たちII」

          「カブトムシと高嶺の花」愛車遍歴(四輪編)その4

          初代ゴルフで負った心の痛手は同じワーゲンの車で癒すしかない。そう思っていたかどうかははっきりと記憶にないけれど、フローリアンに満足できず次の車を探していた僕はフォルクスワーゲンタイプ1、通称ビートルに注目していた。 二十歳を過ぎた大人になっても、子供の頃に見たスーパーカー辞典に載っていた車というのは、自分の中でのひとつの基準になっていたようだ。相変わらずマイベストカーの上位はゴルフ、ビートル、BMW、フィアット、シトロエン、プジョー、ルノー、MINIとヨーロッパの小型車や中

          「カブトムシと高嶺の花」愛車遍歴(四輪編)その4

          「質実剛健」愛車遍歴(四輪編)その3

          フローリアンという車をご存知だろうか?今ではトラックのCMで有名な、あのいすゞ自動車が生産していたステーションワゴンのモデル名だ。昔のいすゞ自動車は117クーペやベレット等、個性的かつハイセンスな車をいくつかリリースしていて、日産やトヨタの大手メジャーな乗用車に飽き足らない車好きにとっては打ってつけのメーカーだった。フローリアンもその中の一台で、スタイリングデザインは117クーペと同じくイタリアのカロッツェリア・ギアが担当している。 そのいすゞフローリアンが(あの幽霊事件で

          「質実剛健」愛車遍歴(四輪編)その3

          「初恋のVW」 愛車遍歴(四輪編)その2

          普通自動車免許を取得できるのは18歳から。それは東京だろうが静岡だろうが日本全国どこでも同じだ。今はどうか知らないが当時の大抵の若者は高校三年になって進路が決まると、こぞって自動車学校に通ったものだった。僕は高校を中退したので進路も何もあったものではなかったが、18歳になったらすぐに免許が欲しいという気持ちは、高校に通う友人たちと同じように抱いていた。しかし自動車学校に通うのにも資金が必要だ。その頃すでに僕は親元(祖母の元)を離れ、アパートを借りながら自分で生計を立てていたた

          「初恋のVW」 愛車遍歴(四輪編)その2

          「父の車」 愛車遍歴(四輪編)その1

          幼少期、父の車に乗せてもらう時はいつも胸がわくわくした。運転している父の膝の上に乗りハンドルを触らせてもらったのは、今よりもずっと取締りが緩かった昭和40年代の懐かしい記憶だ。父は見栄っ張りな性格だったせいか地方で新聞販売店を営む身にしては比較的高級な車に乗っていた。メタリックブルーの日産スカイライン2000GT(ケンメリ)や高級セダンの日産グロリアを乗り継ぎ、一時は当時地元ではまだ珍しかったアメ車にも乗っていた。その影響からか僕もミニカーとかラジコンとか、親にねだるおもちゃ

          「父の車」 愛車遍歴(四輪編)その1

          アコースティックギターと共に歩んできた僕の音楽人生

          今まで様々なアコースティックギターを所有しては手放してきた。次から次へとまではいかないが、それなりの数にはのぼる。仕事道具なのだからというのを自分への口実にはしているけれど、ギター好きにとっては贅沢な話だ。そこで今回は僕が弾いてきたギターの数々を一挙にまとめてみたいと思う。そしてそれはまた、僕のこれまでの音楽人生の軌跡となるだろう。 最初に手に入れたアコースティックギターはOvationのEliteというギターだった。80年代の終わり頃から90年代の初めに流行っていたモデル

          アコースティックギターと共に歩んできた僕の音楽人生

          タイムトラベラー

          2058年からやってきた國分玲さんを知ってますか? 意外に思われるかもしれないけれど、僕はけっこう都市伝説系の話題には興味があって、テレ東の「やりすぎ」のやつとかそれ系のYouTubeチャンネルを視聴するのが好きだ。 先日もとある都市伝説系YouTubeチャンネル観ていたら、國分玲なる人物のツイアカのことが取り上げられていた。彼は2058年からやってきたタイムトラベラーだ。向こう(未来)でタイムマシンの開発にたずさわり、その資金繰りのために開発チームを代表してこちら(現代

          タイムトラベラー

          サブスクフラワー

          隔週でポストに届く季節の花。 花のサブスクリプションサービスが便利だ。 セレクトセンスも悪くないと思う。 サブスクも良いけれど、意外と近所のスーパーの花売り場も可愛らしい花束を置いていたりするので、気に入ったものがあれば購入することにしている。店頭に並ぶ色とりどりの可憐な花たちを見るたびに、きっと素敵な女性がセレクトしているに違いないと勝手に思い込んでいたら、ある日姿を見せた花売り場の担当者は普通のおじさんだった。人は見かけによらないし、何事も決め付けは良くない。一度に二つ

          サブスクフラワー

          さよなら、チャーリー

          ストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツが他界した。 僕はローリング・ストーンズのことは好きだけれど、「とても好き」を公言してる人からしたらそれほど熱心なファンとは言えない。とはいえ、代表的なレコードを数枚持っているし、2014年の来日公演にも足を運んだ。それから、僕のソロアルバム「Odyssey」のジャケット写真ではストーンズのビンテージTシャツを着ている。でもそれはスタイリストが用意したものだ。つまりそれくらいのファンということ。 ミック・ジャガーもキース・リチャーズ

          さよなら、チャーリー