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海沿いを行く~伊豆熱海紀行~

小田原駅を通り過ぎると、東海道線の車窓には相模湾の雄大な景色が広がる。10月の末、少しずつ新しい日常を受け入れつつあった頃、GOTOトラベルを利用して伊豆熱海方面へ旅行に行くことになった。
熱海駅に到着し、改札を抜けると少しだけ肌寒い海風が頬をかすめ、本格的な秋の到来を感じた。

海を求めて熱海の坂道を下っていく。途中にはレトロな喫茶店や海鮮丼を出す店が軒を連ねている。こういう昔ながらの建物や小さな路地が入り組みながら坂道を形成しているこの町は何回来ても惹かれるものがある。

勘を頼りに坂道を下っていき、海に辿り着いた。波打ち際には海にはしゃぐ子供達の穏やかな風景が広がっていた。


本当に穏やかだなと思った。リモートワークでほとんど外に出なくなった今、SNSやニュースで入ってくる情報が世界の全てのようだと思ってしまっていた部分がありどこかピリピリとした感じを常に感じていたが、たまにはこんな風に外でのんびりするのも良いなあとあらためて感じた。
しばらくボーッとして意を決して坂道を上り駅に向かう。帰りの坂道は地獄だった。


伊豆急で海沿いを南下し、宿に向かう。熱海も良かったが安くて人のあまりいなさそうな場所にしたかった。伊豆急に揺られること約一時間、残業続きの私達はうとうとしているうちにあっという間に辿り着いた。伊豆熱川駅だ。


改札を抜けると至る所から湯気が出ていて人は少ないが温泉街だなあ~となる。コロナ禍で休業対応をよぎなくされたホテルもちらほら見られた。人のいないホテルの前には野良猫がたむろしていた。海に面した町に猫が多いのは何故なのだろう。にゃーにゃー言いながら近づくと逃げられた。少し悲しい。


本日のお宿は伊藤園ホテル熱川さん。一泊6000円で二食バイキング夕飯飲み放題というコスパの良さにまんまと釣られてしまった。散歩がてらシャトルバスを使わずに宿に向かおうとしたところ、熱川の入り組んだ坂道で完全に迷い、道とは言えないようなショートカットをする羽目になったので、読んだ方は絶対にシャトルバスを使って欲しい。


安すぎて正直期待していなかったが部屋に入ると窓の外は相模湾の絶景が広がっており感無量。ちょうど宿泊した日が満月だったということもあり、隣駅の伊豆北川のムーンロードほどではないだろうが夜は海に浮かぶ満月がきれいに見えた。風呂に入り夕飯を食べ酒をたらふく飲み、次の日に備えて爆睡した。


東側に面する宿は朝をいつもより早く迎える。海に反射した日の光はカーテンと障子越しでも眩しかった。海に終わり海に始まるそんな一日。二日目も期待で胸が高鳴った。

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