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あのころの温泉、今の温泉

朝から温泉に行ってきた。
このあたりには温泉も銭湯もほとんどないから、車で30分くらいのところまで足を延ばした。

鬱状態になってからというもの、お湯に長く浸かるのが怖くなっている。
お湯に入っている時は他にすることがないから、つい嫌なことを考えてしまうのだ。
こんな風になる前は温泉が大好きで、大学時代は温泉巡りを目的に日本中を一人旅してまわっていた。
大学生になる以前から、地元の温泉に家族で定期的に入りに行っていた。
温泉が身近だった。

中高生の頃、温泉に浸かりながらよく妄想をしていた。
好きな男子にもし告白されたらどうするか、とか、もしデートすることになったらどうするか、とか。
今考えるととても平和な妄想である。
家族で温泉に入っていても特に話すこともないため、目を瞑りぼーっと妄想の世界に浸っていた。

今日は、そういえば昔はそんなことを考えながらお湯に浸かっていたな、と思い出しながらお湯に浸かった。
まだまだ長湯は怖いけれど、腰痛のために最近は温泉施設に行くようにしている。

あの頃の私が思い描いていた30代は、キャリアウーマンで、高いヒールをカツカツ謂わせていた。
しかし現実はキャリアはゼロ。
高いヒールを履くような体力もなく、腰痛緩和のために温泉に来ている。
なんだかなあと思う。

嘆いていたって過去は変わらない。
未来を少しずつ良い方向に変えるために、今、地道に温泉に入ったりしているのだろう。

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