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#21 話術

今回からまた心機一転、新しいヘッダーと共に「ただのひとのむねのうち」シリーズ(?)第3章に突入です。

過去2章もよろしければ以下のリンクから覗いてみてください。



そんなこんなで21回目の今回は話を広げる上手な話術について。最近いろいろあって初対面の方とお話する機会がびっくりするほど多く、そんな中で話の広げ方っていろいろだなあと面白く思ったのでシェアします。

お話しする中でまず初めに感じたのは、私が今留学中の国の人たちの話術の巧みさ。特に、質問をうまく使う。

私が外国人ということもあり、「どこから来たの?」という定番の質問はもちろんのこと、「ここで過ごした初めての夜はどう?」とか「普段友だちと何するのが好きなの?」とか、「私たち初対面やけど、ほんまにそれ気になるんか?!」みたいな質問までさまざま飛んでくる。

こういう質問攻めにあう中で私が特にすごいと感じたのが、質問をしてくれる人が、その質問に返ってきた答えに対して即座に自分の知っていることに絡めて話を広げてくるところ。

例えばさっきあげたド定番の質問「どこから来たの?」。これはほんまに、留学始まってから今まで初対面の人には百発百中で聞かれている。で私が「日本」と答えると、これまた100%同じ質問が追い討ちでくる。「日本のどこ?」

ここで私はいつも思う。「この人たち絶対東京以外知らんやろ、、絶対微妙な空気になるだけやん、、」と。実際私の出身地を伝えるとみんな微妙な顔で「おお、、」という反応になる。(私の地元は海外では有名ではない)でも私もこの流れを経験しまくってきたから、そのあと即座に「僕の地元は大阪に近いんだ」とわりかし有名な大阪の名前を借りて説明するのはいつものテンプレになった。でも意外に、こちらの人は大阪も知らないことが多く、大阪の名前を出してもなお微妙な反応をされることが多い。(まあ確かに私も興味ない国なら首都すら覚えてないこともあるのに他の都市なんて知る由もないなと思いました)

でも、ここでただ単に「大阪、、知らないなあごめんね」で終わらないのがこちらの人たち。たとえちゃんとわからなくても、「聞いたことあるかも、、」と、明らかにほぼ知らなさそうな顔をしながら伝えてくれる。「日本の下の方でしょ、きっと!」みたいに、なんとか記憶の片隅にあるような知識を引っ張り出してまで話を繋げようとしてくれる。

「ここで過ごした初めての夜はどう?」という質問をされたときも同じようなことがあった。正直別にその夜何かを感じたわけじゃなかったから、「特に何もなかったなあ〜」みたいな死ぬほど反応しにくい答えで返してしまったのだけれど、質問してくれた人が「暑くなかった?」と追加で質問をしてくれて、ああ、そういえばクーラーなくて暑かったかも、と思い出してそれを伝えた。そうすると、その質問してくれた人が、「そうだよね!私が最初来たときもね暑くて扇風機貸してくださいって頼んだんだ、一回相談してみるといいよ」と、いろいろまた話を広げてくれて、初対面なのに楽しくお話しできた。

こういうその場その場でぱっぱと話を繋げていけるのすごいなと思った。私はそういうの苦手で、会話をしているそのときには思いつかずに、後から「ああ、あのときこんな話をして会話繋げば良かった」と後悔することが多かった。だから、相手の人が自分の引き出しを目一杯使って話を繋げてくれたことにすごく感動した。

ここで個人的に思ったのが、知らないことを「知らない」で片付けない大切さ。出身の話でもちょこっと触れたけど、「大阪知らないなあ」と言われるのと、嘘でも「ちょっと聞いたことあるかもしれへん!」と言われるのでは、全然気持ちが違う。

知らんなあ、って言われたら、そうだよね、、でなんかネガティブな感じで終わってしまうけど、聞いたことあるかも!って、ちゃんとは知らんくてもポジティブに返してくれると、もう少し説明してみようかな?って思えるみたいに、自然と会話が生まれるきっかけになる気がした。

これに気づいたときに自分の今までを振り返ってみたときに、私は、知らんことに対しては無愛想に、「知らんなあ」って言ってしまうことが多かったと思う。

つい最近もそうしてしまった。この前、初対面で出会った方がジブリが好きで、私が日本人と知るや否や"Hayao Miyazaki!"と言ってくれた。だけど私は本当にジブリ未履修で、千と千尋の神隠しでさえテレビでやってたときに場面場面でちょこっと見たくらいだった。だから私の口から咄嗟に出たのが、「僕ジブリほぼ見たことないんだよね、、」

今振り返ると、最悪の返し方だと思う。自分の乏しいジブリ知識の範囲内でも、「千と千尋はちょっとだけ見たからストーリーはわかるよ!」とか、「ジブリ映画まるまる見たことはないけど、絵は見たことある、めっちゃいいよね!」くらいのポジティブな返しはできたんじゃないかな、、と後悔。

「知らない」って切り捨てちゃうと、せっかく相手がその話題を振ってくれたのになんかその話題に興味ないみたいに聞こえちゃうこともあるよな、、と自分の経験も通して感じました。

知らなくても知らないなりに返す言葉には気をつける。「知らない」と馬鹿正直に伝えるのではなくて、ちょっとでも自分の知ってる知識と結びつけてポジティブに返答する。これを瞬時にできるように日頃から訓練したいものです。


【余談】
先ほどの会話の中では「ジブリあんまり知らない」と言い切ってしまったわけですが、そのジブリ好きな方が「日本人なのにジブリ知らないなんて、、」と同情(?)してくれてハウルの動く城を見せてくれました。なんて優しい方、、

もう成人までしているのに、人生で初めてハウルの動く城を見ました。やっと最低限日本人として必要なステップを踏めた気分!

面白くて2時間ほど最近では類い稀なほど集中して一気に見ました。なんで先生が急に戦争やめたのかとかあんまいまいち理解できないシーンもあったけど普通に楽しめました。偉大なれ宮崎駿。

ジブリのおすすめあったら教えてください!これを機にジブリ制覇したい気持ちです。