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【記録#1】 Moonlight

夏休みに見たもので感じたことを忘れまいとする記事。

Moonlight

これは有名な映画なんじゃないかな?Moonlight。オスカーとかゴールデングローブ(?)とかも受賞してるみたいで、わたしも名前だけは聞いたことあった。でもなあなあで結局見てなかったから、暇になった夏休み最初に手をつけてみた。

正直、手をつけてなかった一番の理由は、「黒人で怖そうだから」。超偏見。黒人の方がメインの映画って、やっぱり差別問題とかと絡められがちで、白人の人が怒鳴りつけたりするイメージがめっちゃあってそういう理不尽に怒られてる系(?)は心が痛くなりすぎるから勝手な苦手意識があった。実際Straight Outta Comptonとかもそんな感じの風潮あるしね。白人の警官が不必要に黒人の人を取り締まってバチバチバトル、銃とか麻薬は当たり前、みたいなわたしからしたら怖いでしかない系の映画。まあそんな偏見から見るのを避けていたんですが、みてみたらなんとびっくり、「黒人」という感じをあまり前面に出してこない感じ。もちろんいろんな状況とか鑑みると深く関わっているんやけど、他のそういう「黒人差別」みたいな感じとは一味違う感じで、わたし的には比較的見やすかった。

【※ここからネタバレ含みます】

全編もちろん英語で、日本語字幕なかったので、間違ってたらごめんなさい。このストーリーは、めっちゃ適当にまとめると、ゲイであり、ネグレクト気味の親を持つ子供の一生を描いたストーリー。でも全部が全部詳しく書かれるわけじゃなくて、物語が幼少期、思春期、大人みたいな三部構成。この三段階がメインで描かれて、その描かれてる期間のあいだあいだは急に時間が飛ぶ感じで全く触れられない。でも、次の段階に進むと必ず「その描かれていない期間に起こったであろう結構重大な出来事」を少し匂わせる描写が現れる。例えば、思春期の最後で主人公が激昂してクラスメイトを椅子で殴り、少年院かどっかに連れて行かれるんやけど、その次のシーンにはいきなり麻薬ディーラーとして活躍する大人になった主人公っていうシチュエーションから始まるのよね。いや、少年院でのシーンもっと詳しく描いてよ!少年院(刑務所?)で何あったんかめっちゃ気になるねんけど!ってなるような感じ。それがこの映画が評価されるポイントなんかな?わたしには理解出来なさすぎたけど、後から考察読んで、そういう展開もあるんか!ってなったからそういう想像の自由を確保している時点でうまいやり方なんかな?映画まあまあ好きやけど好き好み激しくてあんまりそういう技法とかわかるほどは観てないから気になる!

まあそんな感じです。ここではストーリーとか考察とかよりわたしの感想を垂れ流したいのでこの辺で。

この映画見ながら思ったのは、まず「黒人しかいない!」ということ。さっきも書いたけど、こういう映画って黒人と白人っていう二項対立みたいなんが多い気がするから、黒人しか出てこないのに新鮮味を感じた。それと、周りが黒人の人ばっかりやからこそ主人公も「自分は黒人だ」みたいなことを感じて「はぁ」ってなるような展開はなかったから、純粋に楽しめた。プラス、英語が面白い!ちょうど履修してた授業でAfrican American Englishのことも習って、その特徴がいっぱい出てた!(正確には、劇中の方がAfrican American Englishを話していたかはわからないけど、わたしにはそう聞こえた。)例えば、be動詞を徹底的に排除していたり、二重否定を使っていたり、is am areの代わりにbe使ったり、とにかく色々省略したり。ingとかね。これはすごい興奮したなあ。授業でやってる時は「ひえ〜そんな英語の世界があるのね」みたいな、学ぶ対象なだけでそうなんや的な緩い感じやったけど、実際聞いてみて、そういう授業で習った文法をほんまに使ってるの聞いてめっちゃ感動した。リスニングバカみたいに難しいし英語の字幕なしでは解読できてなかったと思うから、もっといろんな英語聞けるようになりたいと思った。

そういうストーリーに関係のないことに感動しちゃってたけど、ストーリー自体もすごくグッとくるものがあった。主人公は、ゲイであることが原因で他のクラスメイトからいじめられてるんやけど、その中でも優しく接してくれる人がいたり、想い人がいたり(たぶん両思い!)、すごい心があったまったし、わたしもそういう自分を包み込んでくれる人に出会いたいな〜なんて思ったりもしました。(笑)

一つ疑問だったのが、主人公がゲイっていうことが、彼が幼少期の頃から周りに知られていたこと。あんまりちゃんと覚えてないけど、映画の始まりからいきなり主人公がクラスメイトに追いかけ回されてて、そのクラスメイトたちも「彼がゲイだから」追いかけ回していじめてる感じやったんよね。そんな幼少期からそういう事実が広まった背景とかもっと知れたらもっと感情移入できたのかななんて思ったり。これはこの主人公の親も言ってたんやけど、この主人公は全体的にナヨナヨした感じのタイプ。歩き方とかも。他の人の考察で見たんやけど、黒人のコミュニティの中では「ザ・男らしさ」みたいなのが結構重要らしい。まあ確かに黒人の方のイメージ的には体ゴツくて〜みたいなのはなきにしもあらずよね。だからそういう人たちの中ではナヨナヨした主人公は浮いちゃうのかも。でもそこで感動するのが、その主人公の想い人くんがそのナヨナヨを取り除くために奮起するシーンがあるのよね。わざと喧嘩ふっかけて、やってみろよ、お前もできるよみたいなシーン。それがめっちゃ序盤やったからその時は特に何にも思わへんかったんやけど、後から二人の関係性を知った後に振り返ってみると、すごく素敵なシーンやったなあってしんみりきました。

まだまだ書きたいことある気するけど、思ったより長くなってしまったのでここで終わり。実はもう一本の映画についてもこの記事で書こうと思ってたのに、思いのほかMoonlightに多大な字数を割いてしまったのでやめときます、、まあでもわたし的にはまあまあ好きな部類に入る映画でした!