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#25 革命

「人のせいにしない」

これは子どもの頃から今まで何回も母から言われ続けてきたこと。子どものときは何も考えてなかったけど、今から振り返ってみると確かに私は人のせいにする機会が多かったかもなあと思ったりする。

でも今から当時を振り返っても、別に人のせいにしたくてしてるんじゃなくて(それは大体みんなそう)、イライラしたときに冷静に振り返って考えてみると、「あれって私のせいじゃないよな、、」って思うことが正直多かったから「あの人が〜、、」みたいな言い方をしてしまいがちだったような気もする。

でもそういう話をすると大体母から決まって「人のせいにしない」って言われるのだけど、「そう言われても事実その人のせいで迷惑被ったんやもん、、」って心の中だけで言い訳したりすることが何回もあった。

「自分が人のせいにするのは、人のせいにしているのではなく、事実その人のせいだから」

烏滸がましいながらにこういう考えを一生持ちながら生きてきたわけだけれど、この点について私も考え直さないといけないな、と感じる出来事が最近あった。それはこの間この夏から一緒に住んでいるルームメイトとお話ししていたとき。

彼は私よりも3日ほど先に寮の部屋に入っていて、私が後から入る形で寮生活が始まった。だから私が入寮したとき、彼はすでに一人で3日間ほど過ごしていた。その3日間について彼が話してくれたとき、1つ興味深い話があった。

それは私たちの隣に住んでいる人について。その隣人は最初の二日間ほどすごく騒がしくて、ルームメイトの彼も寝付けないほどだったそう。女性を自室に連れ込んだりもしているそうで、迷惑極まりない人そうだった。

それを聞いたとき私は「え、めっちゃ嫌やん、そんな人と隣なんか」と思ったし、実際「これからその人とずっと隣なの嫌だね」とルームメイトに伝えた。すると彼が一言。

「あ、でも昨日直接注意しに行ってきたからたぶんもう大丈夫だよ」

私は耳を疑った。直接?注意?隣人に?入寮2日目で?どんだけ勇気ある人なんや。普通にすごいな、と謎に感心。私やったら絶対にできへん、これから少なくとも一学期間隣に住んでる人やし、そんな騒音問題起こす人とか怖そうやし、関係悪くなったらどうしようと思って、「注意しよう」とかいう考えすら出てこなかったと思う。

でもそれをサラッとやりのけた私のルームメイト。一体何者?

まあそんなことは置いといて、ここで私は思うわけです。「あ、人のせいにしない人って、他人に非がある状況でも自分で状況打破していくから人のせいにするとかいう概念が小さいねんな」と。

今回の隣人の件でも、ルームメイトがバシッと最初に解決してくれたから何も問題なく今快適に過ごすことができているけど、もし私みたいに何も言えずにただ我慢するだけだったなら、日に日にイライラはたまって、いつもみたいに「あの人が〜、、」って愚痴を吐いて、自分だけが不快な気持ちになっていたと思う。

この例では人のせいにする、とはちょっとずれてしまうのだけれど、人のせいにする、という場面でも同じことは言えると思う。

グループワーク、あの人のせいでいい評価もらえなかった。こういうのも確かにそれは事実かもしれない。その人が全く働かなくて物理的にしんどかったのかも。でもそれとともに、自分はその人がちゃんと働くために声かけなどしたのか、自分が利益を被るために何かこちらからも働きかけをしたのか、というのもある程度大切になるのだろうな、と今回の隣人の件で考えるようになった。

もちろん自発的に働かない人が一番良くないというのは前提として、それでも自分が働きかけできたであろうことを全くやらなかったのに「あの人のせいだ」とだけ言って切り捨ててしまうということは、まあ確かにそういう働きかけできる人からすれば「人のせいにしている」と考えられても仕方ないのだなあと思った。

私の母も結構はっきり物事を言えてしまう人だから、今になって母が「人のせいにしない」と私に言い続けてきた理由が理解できた気がする。

隣人の件も、結局1回注意したらちゃんと直してくれるタイプの人だったし、注意受けてからも普通に優しく話しかけてくれる人で、もしルームメイトが注意してくれなかったらモヤモヤするだけ、その人の印象は悪いまま一学期終わっていたと思う。

自分で動いて、自分の周りの環境を自分に生きやすいものにする。簡単なことじゃないし自分にできるかわからないけど、とっても大事な能力だなと思った。細かいことでも我慢する前に少し自分から働きかけをすること、忘れないでおこう。