見出し画像

#24 付加価値

今日はこの記事の続き、正確にはこの記事で書いたボランティアに申し込む前の段階の話を書きたいと思います。


この夏、私は記事にした通りボランティアを行ったわけですが、それは夏休みずっとというわけではありませんでした。夏休み前半はボランティア探しが全くうまくいかず、何もない虚無の日々を過ごしていました。

私が夏のボランティアを探し始めたのは遡ること今年の2月ごろ。動き出しはそんなに遅くなかったのではないかなと自分では思っています。

春学期の授業をこなしつつ、色々ボランティアサイトを漁る日々を続け、ついに4月ごろに自分が行きたいなと思うボランティアを見つけ初めて応募してみることにしました。

そこでいただいた返事がまさかの「受け入れられると思うよ」というもの。

これには私も驚き。友だちから、なかなか受け入れられるのは難しいらしいよ、と聞いていたので、応募一発目にして受け入れの返事をいただけたことにすごく驚いた覚えがあります。

そんなこんなで6月ごろからいかせてもらう予定だったボランティア先と連絡をとり続けていたのですが、何通かメールを交わしてからホストの方に「これから旅行行くから5月くらいまでメール返せないかも」とご連絡をいただきました。私はそのとき特に何も考えず、そうなんか、くらいで流しました。

受け入れていただいた嬉しさに耽りつつ、ホストから返信が来ない4月、5月が過ぎ、ようやく受け入れ開始数週間前くらいにホストの方から連絡が来ました。そのメールに書かれていたのは、ボランティア募集の要項には全く書かれていなかった新しいルール数個の追加に関してでした。

「洗濯は2週間に1回」「風呂は5分以内に済ませること」「持ってくる荷物はできるだけ少なく、キャリーNG」などなど、、

おそらく大丈夫な人には大丈夫だとは思うのですが、個人的には少しキツく感じました。

この新しいルールだけでなく、こんなギリギリの時期に今まで明かしてこなかった(自分には厳しめの)ルールを直前に送ってきた、という事実に、私は少し怖くなってしまいました。

この時は私も未熟で、初めて応募したボランティアに一発で受け入れてもらえたのでこれを断ってもまた次見つかるだろう、となんとなく楽観視してしまっており(嵐の予感)、親とも相談して今回はこのボランティアをこちらから断らせてもらうことにしました。

この断らせていただいたホストの方が旅行で返信が滞っていたのもあり、結局この頃にはもう夏休みが始まりかけており、飛行機の値段なども考えるとそこまで長期のボランティアは出来なさそうな雰囲気が漂っていました。そんな中でもずっと大学にいるのは何か違うと感じていたので、めげずに色々応募しようと意気込んでいました。

そんな調子で応募すること数十件。全滅。

親の顔より見た"Unfortunately, …"の文章。まさかここまで受け入れてもらえないなんて。ただただ応募して相手からの連絡を待ち、Unfortunatelyという文字を見て落胆するというサイクルの生活に、当時は本当に焦りと、悔しさと、(最初のホストのところ断らなければ良かったという)後悔と、時間を無駄にしているという負の感覚に襲われていました。

この辺で私は戦略を少し変えました。ボランティアじゃなくてインターンにしようと。実際自分の将来の夢と合致するお仕事を何件か見つけていたところで、自分のビザでも大丈夫なことを確認しつつ大学の国際センターに手続きをお願いしたところ、NOの一言。なんかやっぱり留学生が現地でインターンとかをするのは色々手続きが難しいようです。

正直、NOっていうだけじゃなくてもっと頑張ってくれても良くないか、、?って思いもしたのですが(1回前学期中にもインターンを巡ってバトル済み。面接までしたのに国際センターにアウトって言われて全部パーになった)まあ制度なら仕方ないかと。

この時点でもう何個断られているかわからないくらい挫折しまくっているのですが、それでもめげずに次にトライしたのは学内バイト。どうせ学内から出れないなら学内でお金稼いでやる!のヤケクソの気持ちでした。

Dorm deskと草刈りの仕事の2つに応募してみました。結果は、front deskの仕事は面接落ち、草刈りの仕事は返信すら来ませんでした。

この時点で私のメンタルはズタボロでした。いろんなところから何回も断られたことによって、自分には誰かに選ばれるような特別な付加価値がないんだ、やっぱり生きていく上では自分を自分たらしめる価値がないとやっていけないんだ、そんな人生の教訓みたいなものを悟った気がします。

ここまでの流れをずっと母と共有していたのですが、母は「もういいんじゃない」と私を心配してくれ、私もその時以下の記事で書いた、英語学習に力を入れ始めていた時期だったので、もうボランティアはせず、大学に残って文法的な英語を磨く時間に充てるのもいいかあと思い始めていた時期でもありました。

なのでここで一旦私はボランティアなどを探すのをやめてしまいます。もうこれ以上Unfortunatelyというワードを目にしたくなかったし、断られるたびにすり減っていく自分の自尊心に耐えられなかったわけです。

そうして数日間私はボランティアを探すことなくゆっくりと過ごしていたのですが、そうしているうちになんだかモヤモヤすることが多くなりました。

「今ボランティアに応募しないと、絶対後から後悔する」

なんでかわからないけど、そう自分に説得されている気持ちになりました。普段は消極的な人間なのに、不思議ですね。こんなこともあるもんだ。

そうして謎の心の声に励まされ、初心に戻ってまたボランティアを探し始めました。今回の応募は少し趣向を変えて、今までは結構一つの家庭にお邪魔させてもらうタイプのボランティアに応募していたのですが、今回は結構形態がはっきりした、大きいコミュニティセンター的なものをメインで応募しました。

これには訳があって、学内バイトに応募したときにレジュメを書かないといけなかったんですけど、そこで自分には他人と協力して何かをするという経験が圧倒的に不足していると感じたのです。今までスポーツは個人技、何やるにしてもひとりで、という傾向があって、他人とコミュニケーションをとって成功した例みたいなのを書く欄に何も書けなかったのです。

それが嫌で、どうせボランティアをするなら他の人とのコミュニケーション力を育てられるものにしようとふと思いたった訳です。

そうして大きいセンター的なものに2つ応募したのですが、なんとなんと、その2つともからOKの返事が来ました。

そのメールを見たときは本当に、安堵というか、安心というか、喜びというか、とにかく何とも言い難い感情になりました。頑張って良かった、自分みたいな人でも必要としてくれる人がいる、そんな気持ちにもなって、本当に嬉しかったです。

そんなこんなでようやく私はボランティアにありつけた訳です。本当に長い道のりでした。何回も断られ、時間を無駄にしている感覚に襲われ、自己肯定感を失い。本当に辛い期間だったと思います。

ですが逆にそんな辛い期間でも得られるものはあったとも思います。学内バイトに挑戦してみたおかげで自分にはコミュニケーション力を上げるボランティアがいいと確認でき、結果そのボランティアに受け入れてもらえた訳ですし、ボランティアに行かずに時間がたっぷりある日々を過ごせたおかげで自分の英語力を見直すきっかけにもなった。他にも書ききれないけど、「絶対にしないといけないものがない日々」というものがもたらしてくれた利益はある程度はあったように感じます。


そんなこんなで、前回の記事では「楽しかった!」な感じのボランティア備忘録を投稿しましたが、その裏では本当に辛い時期がありました。それがどうとかこうとかではないのだけれど、自分が「輝いてるなあ」と思う人にも今回の自分みたいな様々な挫折があるのかなあなんて自分の視野を広げてくれる経験になりました。

本当に辛い経験だったけど、これもまた勉強。この経験が自分の将来の何かに生かされますように。