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モッテルおじさん(中)〜50年振りの兄弟暮らし〜

ということで認知症×認知症気味の兄弟(78、79)による
実に50年振りとなる家族暮らし
なんの前触れもなく始まった…

叔父さんは元々
奥さん+シングルマザーの長女とその子供達(※大学生の2人の孫)
計5人暮らし

しかし数年前より
長女は難病を患い自宅療養、
大学生の孫たちは色々と忙しく
生活のほとんどを
ご高齢の奥さんが担っていた

その今や一家の大黒柱と言っても
過言ではない存在の叔母さんが
連日、膝の痛みを訴えついに病院を受診

すると骨にヒビ!

あわや手術か…という事態に

頼りの長男は育ち盛りの男の子3人を
絶賛子育て中だし…

と、いうことで〜!

ひとり暮らしの弟である父に
白羽の矢が立ったのであ〜る!

電話口で叔母さんに
ことの様相をうかがい

な、なるほどー

「でも父も認知機能低下してますし、
ちゃんと面倒見るタイプでもないけど
良いんですか?」

と聞くと

「あ、うん全然うちのよりまともだし!
適当で大丈夫!」

と叔母さん

そ、そっかぁ(会うといつも品のあった叔母さん。いつの間にかこんなにも逞しき感じに…)まぁ叔母さんもお疲れが出たのかと思いますし、これを機に少しゆっくり休めるといいですね

電話を切り
折り返し実家にかけると

開口一番

「あ、もしもし?まずいんだよ…。
歯磨き粉がないっていうから、そこのコンビニ(徒歩30秒)で買ってくれば?と言ったら「うん!」って出掛けたんだけど、もう2、30分帰ってこないんだよ…」

えぇ!?

なんでひとりで行かせたの!?


だって一人で行けるっていうから…

えぇー!

それから15分ほどして
ようやく帰宅したという叔父さん
駅前まで行っていたらしいのだが
駅まで徒歩3分の実家…

一体どこへ行っていたのだろう…

そんな謎がありながらも

今度は近所の銭湯に行きたいっていうから行かせる

と父

ひとりで行かせるのだという
(な、なぜ…!?)

心配し過ぎてもアレだけど、
放っておき過ぎてもアレなのでは…

折を見て私も見に行ってみよう…
(ヤダけど)

とそんな心配を余所に翌日は
「全然大丈夫だよ〜問題ない」
と余裕をかましていた父

がしかし

翌々日以降モッテルおじさんパワー
いよいよ炸裂…

(下)へとつづく…

~朝比奈卵~





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