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「転職」ではなくて、サッカー選手のように「移籍」ができたら、活き活き働く人たちが増えると思った話

こんにちは、アイ・パッションの浅井です。

「仲間のキャリアアップに 移籍という新たな選択肢を」
というビジョンのもと、日々HR TRADEサービス開発に向き合っています。

前回までのnoteでは、私のこれまでとこれからについて話してきました。

今回は、私が運営するHR TRADEについてです。

HRロスを無くして日本を変える

そもそも、なぜHR TRADEを始めたのか。

それは、HRロスをなくすため

HRロスとは、社会における適切な人材配置を実現すること。
フードロスという言葉があるように、HRロスという言葉も提唱していきたいと思っています。

「HRロスの解決」
これは、数十年間人材領域の課題に向き合い続けてきた私がこれからの人生をかけて取り組むテーマです。

では、なぜそこまで強い想いを持って取り組めるのか。

その根底にあるのは、
1人でも多く活き活きと働く人を増やしたいという想いからです。

これまで、採用のミスマッチを無くすことで活き活きと働ける人を増やし続けてきました。これからは、社会における適切な人材配置を促進することで、活き活きと働く人を増やしていきます。

その背景にあるのは、「人口減少」という大きな問題です。

長らく叫ばれているこの問題。出生率は6年連続で低下。そして、労働人口も減少し、さらには労働者の平均年齢は上がり続けている。

労働生産性の向上は、人口減少社会では必須

「テクノロジーを使って労働生産性を上げよう!」という動きもありますが、私はHRロスを無くし、社会全体の人材配置から変えていきたいと考えています。

社会情勢や経営状況によって組織の戦略は大きく変わります。その戦略が合わずに、社内での活躍が難しい人材が出てくるのも当たり前。

そんな人材を、社内ではなく社会全体へ適切に配置していく。一番キャリアアップが期待できる20代にくすぶっているのはもったいない。一度組織を離れて、必要としている組織で働く挑戦を後押しすることも大切ではないでしょうか。

また、現在活躍している人材のさらなる成長も後押ししたい。いますぐ社内では実現できないような、外部の大きなプロジェクトに挑戦し、大きく成長して会社と社会に還元する。

そんなチャンスを作り出すのがHR TRADEです。

社会における最適な人材配置を実現するHR TRADE

HR TRADEには「レンタル移籍」と「完全移籍」の2つの概念があります。

「レンタル移籍」は、一時的に会社を離れて、他社に派遣され、期間満了後に会社に戻ってくること。派遣される社員は、会社の事情で活躍の機会を提供できない期間を、他社で過ごすことでスキルアップできる。そして、会社側は、社員の雇用を継続しながら、社員の成長を実現できる。

記憶に新しいのがJALとANAや、アソビューの事例です。

そして、「完全移籍」は、いわゆるな「転職」ではなく、グラデーションを持ちながら転職できること。レンタル移籍期間中に、社員と会社で合意が取れた場合に、そのままレンタル移籍中の会社に転職できる。

目的は、活躍人材のさらなる活躍を支援することです。社内でくすぶっていた社員が、レンタル移籍先で活躍した場合、そのまま応援して送り出してあげることができます。

まだまだ事例は多くありませんが、既に取り組んでくださっている企業様と、利用してくださった社員の方からは、大変好意的な意見を頂戴しております。

もちろん、HR TRADEを導入することに不安があるのも承知しています。いくつかの企業様から、「HR TRADEは退職勧奨ツールになってしまうのではないか?」というご質問を頂戴することもありました。

今のような不安定な時期に、「他社で活躍機会を探ってみてはどうか?」などと言われれば、心が揺れ動く人がいるのも当たり前。ツールを導入する際に、どのような伝え方をするのかは、私たちも一緒に向き合わなければならない課題の一つです。

しかし、「退職=ダメなこと」なのでしょうか?
私はそうは思いません。
既に、一部の先進的な企業は、アルムナイネットワークを構築しています
アイパッションもアルムナイを大切にしています。

アルムナイネットワークとは、共に戦った仲間と退職後も関係性を保ち続けること
主な目的は、人材交流とビジネスマッチング。時には退職者と共に事業を作り上げたり、アルムナイ同士の繋がりから新たなビジネスが生まれる可能性もある。

採用の数値を徹底して管理している人事担当者はたくさんいますが、離職の数値を管理している人にはなかなか出会いません。
組織の新陳代謝を進める上で、一定数の離職は悪いものではないと私は考えています。

先日、人材研究所の曽和さんとこんなセミナーを実施しました。

内容は、HR TRADEと同じく、「在籍出向」という考え方を提唱するもの。

社員を社内に留めておくのではなく、あえて社外に出すという考え方。そして、人材の流動性を保った方が、組織としてメリットがあるというお話もありました。

私もアイ・パッションを設立した際に、同じような経験があります。設立から数年が経ち、サービスが急成長しているタイミングで執行役員から退職の相談がありました。

彼が、仕事でくすぶっていることには気づいていました。
そして、自分ではない別の上司のもとで挑戦した方が成長が望めそうだということも。
そう考えた時に、本人の新しい挑戦を応援しようと送り出しました。

しかし、執行役員という大きな役割に穴が開いてしまった。

残念ながら、その重責を今すぐ担える人材はいない。
そこで抜擢したのが、飛ぶ鳥を落とす勢いで成果を出していた、入社したばかりの平塚でした。

22歳という若さでの抜擢に、半分戸惑いもあるようでしたが、彼女はそのチャンスを存分に活かして、期待以上の成長と成果を出してくれました。
そして、旧パッションナビを引き継いでくれたのも彼女です。

退職を「相談」できる文化を

この経験から、退職することは決してダメなことではないと私は考えます。

ピンチはチャンス。誰かが抜けた役割は、新たな誰かの成長機会にも繋がります。

厳しい言い方にはなりますが、問題は、誰かが抜けた際にその穴を埋められる人材を育て上げられていない組織にあるのではないでしょうか。

しかし、辞め方にも問題があることも確かです。

よく耳にするのは、「1ヶ月後に辞めたい」と急に報告されるパターン。あまりにも急な報告では、その穴を埋めるための準備もできません。その結果、チームのパフォーマンスは下がり、クライアントにも迷惑をかけてしまう。

つまり、問題なのは退職の相談がされずにいきなり報告になっていることです。

その原因にあるのが、「退職=ダメなこと」という風潮
もし、今よりもポジティブな風潮になれば、事前に相談して、互いに適切なタイミングで送り出すことができるはず。

HR TRADEでは、完全移籍が決まった際に、転職者に報酬をお支払いしています。
目的は、転職の相談をする文化を作るため。
少しでも相談しやすい流れを作ることから、変えていきます。

「退職する人は会社に感謝し、送り出す会社は応援する」そのような形で退職を迎えるのが理想的な状態です。

丁寧な退職のサポートは、ポジティブなブランディングにも繋がります。

入社のサポートや、オンボーディングなどの入社後のサポート、そして退職時にも丁寧にサポートしてくれる。そんな会社があるとわかれば、入社したい人も必ず増えるでしょう。

社会全体で1人1人のキャリアを考えたい

そして、同じ経営者として、経営者の皆様に伝えたいことがあります。

それは、共に戦ってきた仲間の活躍や挑戦を応援してあげて欲しいということです。

「手塩にかけて育てた」「こんなに投資した」そんな大切な人材が辞めてしまうのは辛い。

もちろん、一時的には痛手です。同じ経営者としてめちゃくちゃわかります。

しかし、そんな彼らの挑戦を後押ししてあげて欲しい。
彼らがさらに活躍すれば、皆さんの会社の評判は確実に上がります。

「◯◯社に入社すれば成長できる」と言われる会社が、採用市場で人気があるように、きっと会社のブランディングにも繋がります。

そして、社会全体で、働く人1人1人のキャリアを応援する文化も作りたい

その人のことを一番知っているのは上司や人事です。
そんな彼らに気軽に転職の相談ができて、特性を見抜いた上でアドバイスをもらえるのが理想。
あなたの強みが活かせるのは、この会社かも」と、一番の理解者からのアドバイスは、とても参考になります。

さらに、採用した人事にもメリットがあると私は考えます。
「採用したけど、なかなか活躍させてあげられなかった」という罪悪感を抱える人事の方もいるでしょう。
人の人生に関わる仕事なだけに、責任は重大。

もし、そんな時に、転職の相談に乗ることができて、一緒にキャリアを考えることができたら、その人の悩みも解消されるはず。

活躍人材にばかり目が行きがちな業界ですが、会社の戦略や風土にはまらず、活躍できていない人材もたくさんいます。

では、それは全て本人たちの責任なのか、答えは否です。活躍できていないのには理由がある。

もしその理由が、配置にあるのであれば、ぜひHR TRADEをご検討ください

彼らが活躍する社会は、きっと明るい未来を作り出してくれると私は信じています。

ご相談は下記よりお待ちしております!


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