初小説「背に生えた刃」を書き終えました

初めての連載小説
「背に生えた刃」

無事に書き終えることができました。

お読みいただいた皆様
本当にありがとうございました!

「背に生えた刃」は
それぞれに悩みを抱えながらも、自分の意志で自分らしく生きようともがく人々の対話劇というかたちで
3人の女性を描きました。

生き様を見せる、という意味で
「背中を見せる」とか
「背中で語る」など、背中という表現が
意志を語る上で使われますが

その生き様がもしも
相手の「こう生きていきたい意志」を傷つけるものであったら?

明確に言葉で否定する訳ではなくても、
自分の生き様が
全く違う価値観で生きようとしている誰かにとって、「お前の生き方は間違っている」と感じさせてしまう
負い目を感じさせてしまうものだったとしたら?

傷つく人にとって
その背中には
刃が生えているように見えるのだろう

背中に生える翼の羽ひとつひとつを
ぎらりと光る刃に例えて
このタイトルをつけました。

ストーリーテラーは「つばさ」という名の女性。
いや、女性というにはすこし不安定なジェンダーアイデンティティをもつ、ひとりの人間です。

学生時代からの友人の女性、
元同僚の女性、
今を悩みながら生きる女性たちが

女性同士では打ち明けられない
男性には理解してもらえないと諦めて話せない、そんな悩みを
つばさという、女性でも男性でもない存在にだからこそ、胸の奥の奥まで打ち明けることができる。

そして彼女たちの悩みに
つばさ自身も揺れ動きながらも
ただ、受け止めようとする

つばさに、彼女たちの悩みへの答えを述べさせる、解決させるつもりは最初からありませんでした。
たぶん、そんな存在はいらないのだと思う。

ただ理解しようともがく
どういう心情なのかを読み解こうと必死で耳を傾ける

悩める彼女たちに必要なのは
ただ聞き手に徹する存在なのだと。


次回作もちょこちょこと描き始めました。

また、つばさを語り手に
生き方に悩む等身大の女性たちを描こうと思います。

また始まりましたらお読みいただけると嬉しいです。

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