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ノルウェー法務大臣のFB投稿が発端でテロ生存者に殺害予告

ノルウェーで計算された炎上投稿を自身のFacebookで続けることで有名な、シルヴィ・リストハウグ法務・危機管理・移民大臣。

「Facebook投稿が原因で、世界初の政権解体となるのでは」と右派産業紙DNのアルスタハイム編集長はコメントしている。

※これまでの詳細は、別記事「政府が全面謝罪 ノルウェーテロ映画公開初日に炎上投稿をした法務大臣の無神経さ」にて。

【記事の内容】

●「労働党にとっては、国家の安全よりも、テロリストの権利を守ることのほうが重要」と、テロ映画公開初日にFacebookに投稿した法務大臣(進歩党)

●法務大臣が陰謀説を拡散させる危険性

●可哀そうな法務大臣に、花束を贈ろう!

●花束の応援が、テロ被害にあった労働党青年部にとって我慢できない理由

●花を買うお金があるなら、慈善団体に寄付しよう!

●テロ生存者に殺害予告

●ノルウェーはテロから何を学んだのか。2人目のブレイブクをださないために、なぜ過激思想に距離を置く必要があるのか

●法務大臣の陰謀説には、人の命が関わってくる

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国家の安全を守る最高責任者のはずだが、77人が殺害されたテロ映画の公開初日を狙ったかのような投稿で、国中から大きな批判を受けている。

法務大臣の支持者と名乗る一部の人は、テロ生存者に殺害予告をするという事態にまで発展している。

映画公開と大臣の投稿は9日。

その後、与野党から投稿削除と謝罪を求められていたが、リストハウグ大臣は、断固として拒否。

しかし、15日には、投稿を削除。国会討論で政府と共に謝罪をすることとなった。

大臣は、後悔して投稿を削除したのではない。仕方なく、削除したのだ。

国会討論でも、誠意のない謝罪だとして、野党の憤りを沈めさせることはできなかった。

大臣の本音は、こうだろう。「私の投稿と、映画とテロを、勝手に結び付けて、勝手に傷ついて、誤解したのはあなたたち。そのような誤解をされて、ここまで責められて、驚いているのは私のほう」。

陰謀説を拡散させる法務大臣(政府)

ノルウェー国民は、リストハウグ氏の炎上投稿に慣れてはいる。

だが、今回はレベルが違う。

騒動は、収まる気配を見せない。

Photo&Text: Asaki Abumi

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