ダンスホールゴッホ

エンタメ的ボデぃ〜その2

エンタメと身体運動の関係性についてあるいは、エンタメに認める身体の動きの面白さについて語るのが、この「エンタメ的ボデぃ」です。

今回は、お笑い特に漫才やコントなどで繰り広げられるボディー・ワークについて、大げさに言ってしまえば今までの歴史?!を振り返ってみようと思います。

さて、
古くは・・・私の記憶では、クレージー・キャッツそしてドリフターズなどのジャズミュージシャン、バンドからコントへと進むコミックバンド的グループで繰り広げられるズッコケる動きが印象的です。

これは吉本新喜劇などで昔から、そして今も常に行われる定番的な動きですね。特にクレージー・キャッツの谷啓さんが発する“ガチョ〜ン”という言葉とそのあとのズッコケは有名でした。

吉本新喜劇の場合は、登場時に一発ズッコケる場面があるのも有名ですね。チャーリー・浜さんなどがとても好きな出オチでした。

両手・両足を広げて面白顔を作るのもお笑い芸人の定番のポーズ。まるで歌舞伎の見得を切るのと同じ感じです。

明石家さんまさんがひょうきん族で見せた様々なキャラクターの中でも、パーデンネンは両手片足を広げ片足立ちで止まるあのポーズも、代表的で思い出します。

あのポーズ、実はとてもバランスがいい片足立ちが必要で、誰にでもできるものではないんですね。

ズッコケの動きと見得を切るがごとくのポーズ決め。お笑いボディの動と静です。

動といえば、漫才やコントでのツッコミも動きを伴うものです。

昔の漫才ではボディ・アクションを伴わない言葉のツッコミ(それも柔らかい)が主だったかもしれませんが、その後“なんでやねん!”と相手に直接触れる、動のツッコミが定番となります。

専門的に・運動学的に言うと、肩を下垂位にして肘を90度曲げて、外旋方向へ動かすと、典型的なツッコミ動作となります。

それを大きく崩し始めたのが誰かはっきりと知りませんが、印象に残っているのはダウンタウンの浜田雅功さん、浜ちゃんです。

浜ちゃんは、典型的な軽いツッコミではなく、松本人志さん、松ちゃんの頭を叩いたりケツに蹴りを入れるツッコミとかを発明?しています。

今ではそれをわざと強く見せて、頭を強く叩くツッコミ動作そのものでも笑いを取る、カミナリというコンビもいます。

そうそう忘れていましたが、
漫才ではありませんが蹴りを入れるといえば、それ以上のものがありました、昔。

走ってきてのキックやドロップキック的なツッコミ動作は、コント55号の欽ちゃんこと萩本欽一さんが最初でしたね。欽ちゃんはそれ以外にも欽ちゃん走りの斜め走行も流行らせました。

相棒の坂上二郎さんも“飛びます飛びます”の言葉と動きが有名でした。

動作で特徴的なのは間寛平さんの杖をついたおじいちゃん役です。腰曲がりの姿勢で倒れそうで倒れない動的バランスの良さは感心します。

今ググって見ていたら、
なんと間寛平さんは1989年に吉本新喜劇を退団して欽ちゃんに弟子入りしていたんですね〜。今の今まで知らなかったーっ!

漫才のツッコミに話を戻しますが、
ツッコミをわざと外して笑いを取る場合も、その後に出てきます。キングコングなどはそれをスピーディにかつ連続的に繰り広げることで、笑いを取っていました。

スピーディといえば、B&Bの島田洋七さんの速射砲ボケと、途中で見せる“もみじ饅頭!”の言葉と手の動き。

お笑いにおいてボディ・ワークは必須とまでは言いませんが、とても重要な要素だなと改めて感じますね。

落語にはない?イヤイヤ


桂枝雀さんなどはもう座布団から転げ落ちていましたし、古くは初代林家三平さんもそうでしたね。座布団上でじっくりと聴かせる芸もあり、それもいいのですが(特にラジオやCDなどで聴くのには)、アクションを交えての場面や表情の説明的要素には、動きが必須でもあります。

特に物を食べたり飲んだりの仕草は、それぞれの落語家の特徴が現れてとても面白いですね。

今回は、体の動きとお笑いの関係を、一部に限りしかもあまり脈絡なく追ってみました。

これら全てが今の自分の記憶に基づくものなので、もしかしたら正確な記述ではないところもあるかもしれない、ということを予めお断りしておきます。

また、
もし間違った記述などがあれば、その旨ご指摘いただければありがたく思います。

などと堅苦しくなりましたが、また次回までごきげんよう!

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