ダンスホールゴッホ

エンタメ的ボデぃ〜その1

エンタメと身体運動の関係性についてあるいは、エンタメに認める身体の動きの面白さについて語るのが、この「エンタメ的ボデぃ」です。

前回は、主にPerfumeのダンスと楽曲の、他にはないユニークなところについて書きました。

さて、
今回は引き続き、ダンスにも認められる身体運動とリズム・テンポの関係についてのお話をしたいと思います。

これからしばらく、ちょいと難しい話になります。

人間の体格には個人差がありますね。背の高い人もいればそうでない人もいる。手足の長い人もいればそうでない人もいます。全て相対的なものです。

手足が長い人と短い人ではその動きが変わってきます。なぜでしょうか?それは振り子の原理と神経の同調作用が関係してきます。

振り子の原理から思い出してみましょう。

振り子(厳密にいうと単振り子といわれるもの)はその長さによって揺れる周期(1往復にかかる時間)が異なります。同じ長さであれば重さに関係なく同じ周期です。

周期の逆数を周波数とか振動数と定義します。これは1秒間に何回振れるかを表わします。

これが一体ダンスとどんな関係があるの?でしょうね。
もう少し待ってくださいね。

さてさて、
人の手足の長さには個人差があると言いました。ということは手足を振る動きには、その長さによる固有の周期と(その逆数である)振動数が存在していることになります。

同じ動き、動作をしていても実はその人の体格によって物理的な仕事の内容が違ってくるということになります。

ダンスではちょっと複雑なので、最も基本的な運動の一つである歩行=歩く時を考えてみましょう。

普通は手足を左右交互に振り出して歩きます。その時の振り子の周期および振動数は人によって違います。

極論すれば、手足の長さの違いによって、歩くという単純な動きでもその振り出す周期が違うため、結果的に物理学的には異なった動きをしていることになります。

しかも歩くという動作は、ほとんど無意識に行われています。誰もここで右足を出してその時は左手を振って・・・とかは考えていませんよね。

かなり自動制御的な動きなわけです。そしてそれを制御しているのは大脳皮質ではなくて、その下にある脳幹と呼ばれる部位や脊髄という脳からの信号の太い通り路の中にあると言われています。

そして、
その周期に同期して脊髄などの歩行中枢からの神経信号が発せられていることもわかっています。

ふ〜ん・・・それで?となりますね。
でもそれだけうまくできているわけですよ。

ダンスに戻りましょう。

歩行とダンスを一緒くたにはできませんが、人が動くということで括ると、同じダンスをしていても、体格の違いによってその物理的な仕事は違うわけで、もし体格の違う人たちが一糸乱れずに同期してダンスをしていたとすれば、それはすごいことなんですね。

本題のリズム・テンポと動きについて話すはずが・・・すっかりその前提の話で長くなってしまいました。これは次のお題として残しておきましょう。

ではまた次回お会いしましょう!

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