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身体の動きを学んでみる;1〜関節の動く範囲(5)

そもそも、ストレッチを行う目的とは何でしょうか?硬いから?開脚ベッタリくらい柔らかくなってみたいから?

別に否定はしませんが、ストレッチを含む日々の運動習慣を継続させるには、もっと明確な目的が必要な気がします。いかがでしょうか?

まぁ、それについてはこの最後の方でまた述べたいと思います。

さて、今日は自動可動域、自動ストレッチについてのお話です。

自動可動域とは、自分の力で(外部の力を借りずに)関節が動く範囲を動かすことです。ここでは、動く範囲を楽に・スムーズに動かせる性質を可動性が良いと解釈することにします。

つまり、自動可動域を難なく動かせる能力が、可動性ということになります。そのための条件として、まず他動的な可動域が十分確保されていなければなりません。

逆に他動的な可動域が確保されているにも関わらず、自動運動でその範囲を動かせないとすれば、

それは筋肉が十分に収縮していないか?→何らかの神経麻痺などがあるのか?

あるいはその収縮力(筋力)が十分に発揮されない何らかの構造的な理由があるのか?ということになります。

例えば、膝関節が他動的には真っ直ぐに伸びているにも関わらず、自動運動では最終域まで伸びきらない、ということがしばしばあります。これを伸展不全(extension lag);通称ラグ〜タイムラグのラグです〜と言います。

この状態では、自動的なコントロール;この場合伸展の制御;が上手くできないことになるので、立っていても膝がカクンと不安定になりやすいです。

この様に、他動的な関節可動域と自動的な可動域に差があり過ぎると、様々な動きに安定性を欠き、機能的な不具合が生じてきます。

まぁそんな場合もあるということを説明したところで、改めて他動と自動の運動の違いを具体的に説明しましょう。

上半身の回旋(振り返り)動作で考えてみましょう。下の図が、他動的な上部体幹回旋可動域練習=ストレッチです。

骨盤以下の重さ(他力)を利用したストレッチですね。

対して、自動運動としては下の様な動きになります。

自分の力で上部体幹を回旋させていますね。これが自動ストレッチです。

最初の写真の様な他動ストレッチで十分可動域(他動的な)を広げておいてから、二番目の写真の様な自動可動域練習をすると、可動域が広がるにつれて、自動的には楽にスムーズに=余分な努力をせずに、動くことができます。可動性が良くなった証拠です。

自動ストレッチをする目的は、自分の身体をその可動域範囲に伴って自由に・楽に動かせることです。それによって、色々な動きがスムーズにできることに繋がります。

自動ストレッチが重要なことはそういう理由から明らかだと思います。

ただ単に他動的な範囲を広げて終わるのではなく、その動く範囲を自分で自由に動かすことができることが、身体を動かす際にとても大事なことになります。

そのことを考えた上で、他動・自動ストレッチを組み合わせて行なっていくことが必要ですね。

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