人と自分を比べないように生きてきた。

それは苦しみを生むことになる、と思っていたから苦しみを避けるためにもそうしてきた。

でも、そう思っている時点で、「人と比べて苦しい自分」はすでに存在しているんだなぁ。

なるべくそこにフォーカスしないように、人と自分を比べることを避けるようにして生きてきた。

少し前にFacebookで私は「競争心があまりない」というようなことを書いたけれど、競争心をいだくことをおそれてきた、というほうがより正確だったかもしれない。

だから、私にとって誰かを羨ましいと思うことはNG。

うらやましいなぁ〜

という感情が出てきたときには、必死にそれをなだめて、おさめて、「そんなことはない」という結論にもっていこうとしてきた。

でも、今日は久しぶりに、

「いいな〜、うらやましいなぁ。あんな風に生きられたらいいのになぁ。私はなんでそうはできないのかなぁ。残念だなぁ。でも私には無理だしなぁ。ああ、いいな〜」

という気持ちが出てきて、

それを「いや、でもあの人だって実は大変なのかもしれない」とか「私には私のいいところがあるから比べても仕方がない」とか、そうやっておさめるエネルギーも湧かず、

ただただ、うらやましいなぁ〜と思い続けてみたのだった。

そして、それは思ったほど苦しいことでもなかった。

自分には与えられなかった能力やチャンスや資質をもっていて、それを活かして生きている人のことを「うらやましいなぁ」と思うことは、ごく自然なことなのかもしれない。

ひとしきり「うらやましいなぁ」と思ったら、

同時に、そうはできなくても健気に生きてきた自分への愛おしさも湧いてきて。

人をうらやんでもよい、と自分をひとつ許せたことで

ちょっと気持ちが楽になった。

自分を苦しみから守るために、いろいろなルールを作ってきたのかもしれないな。

（了）

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