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3. ゴギョウ

枯れ草の季節の中、早春の若芽は目立つので、割に探すのは簡単です。そんな中、特にこのゴギョウに関しては、葉の色が他のものに比べてマットなので、結構パッと目につきます。

しかも、田んぼ、畑、道ばたに限らず、コンクリートの隙間でさえ顔を出しています。

ほら、こんなところにも。え?分からない?

ここですよー。

これこれ。

まあ、いくらこれが春の七草のゴギョウだとしても、こんなところに生えているものを採って食べる気にはなれません。食用には畑に生えているものにすることにしましょう。1月に売り出される「春の七草パック」の中でも、産毛の生えた、ほわほわ葉っぱのゴギョウはちょっと変わり種で、覚えている人も多いかも知れません。

このように、葉っぱが白い毛に覆われているので、マットな色合いになります。この季節、他にマットな色の植物と言えばこれ。

ヨモギです。よもぎ餅にはこの若葉を茹でて使いますが、昔はゴギョウもよもぎ餅のようにして食べていたとか。マット同士、お餅には合うんですね〜。

似たような用途とは言え、ヨモギは葉の亀裂が大きく、ゴギョウの葉は丸いので、間違えることはまずありません。それにヨモギは香りが結構特徴的。ちなみに、ゴギョウにはヨモギほどの香りはありません。

田んぼの畔にぽつんとあったゴギョウ。

畑の脇で広がって生えているゴギョウ。

大きさはこんなもんです。かわいいですね。

どんな風に生えているのでしょう。次の写真にゴギョウが写っていますよ。どこか分かりますか?

ここです。

これ。

実はこのゴギョウが一番探しにくいと思っていたのですが、結構ポンってその辺にあるんですね。あんまり群生せずに、ひと株だけポツンってあることも多いです。暖かくなってくると、黄色いケイトウのような小さな花が咲きます。

名前としてはゴギョウよりもハハコグサで知られているかも知れません。ゴギョウは漢字で書くと「御形」。名前に関して、植物学者である牧野富太郎先生は「ゴギョウではなくオギョウである」と言ってます。今は、ハハコグサに漢字を充てて「母子草」と言われますが、これも間違いで葉が地面を這うようにして広がることから「這う子草」がなまったものとも言われています。名称や言葉と言うのは、都合のいい勘違いと共に変化していくようです。

薬効もあるようで、生薬としても使われているゴギョウ。七草としてはなかなか申し分ない存在ではないでしょうか。

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