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数字にできる

今日は数字の話をしたい。


看護師は、共感性が高いと思われることが多い。
それはひとえに、メディアやドラマのイメージが先行しているのだ。

実際、そういう人も多いけれど人の気持ちはみえない。
だから、共感の度合いを測ることはできない。
どれだけ患者に共感したかをカルテに残すこともない。

そこで使われるのが数字だ。
これは、言葉や概念が大きくブレることがない。

36.7℃は36.7℃だし
120/74mmHgは120/74mmHgだ。
それ以上でも以下でもない。

40℃の熱は高い
心拍160台は早い

医療従事者じゃなくてもこういう風に判断できるのは、客観的に判断基準となりうる数字のおかげ。

「熱がありそう」とか
「血圧が低くて気分が悪い」とか

これだと学校は休めない。
相手に証明できないのだ。


言葉があればいいじゃん

と思われるだろうが、これだとコミュニケーションコストがかかってしょうがない。

熱があるのを懇々と訴えてくるよりも、今の体温を教えてくれたほうが話が早い。

それに、この理論だと全身麻酔で意識を飛ばされた患者には、自分の気持ちを伝える手段がない。

人工呼吸器もついてる。
呼吸をサポートされてるのに
発声なんて夢。

だから、言葉を奪われたわたしたちには数字しかない。
もっと言えば、この数字はすべて身体的な変化そのもの。

たとえば呼吸。

呼吸の回数に始まり、気道にかかる内圧、肺胞に広がる空気の量など、すべてを計測することが可能だ。

ちなみに、人工呼吸器はこれらすべてを管理することができる。

全身麻酔下にあっても
痛かったら血圧はあがり
寒すぎたら体温は下がる。

人工呼吸器のついた人だって
痛い処置をしたら眉間にシワがよるし
まつ毛がピクピク動くこともある。

それに伴い、呼吸の量や回数、呼吸圧が乱れて呼吸器のアラームがピロピロ鳴る。

痛いという感覚が
本人の痛いという感情が
数値化される瞬間だ。

痛いだけじゃない

かなしいとき
嬉しい瞬間

わざわざ測る人なんてそういないだろうけど、
心拍や血圧をはじめ神経伝達物質やホルモンなど、わたしたちの身体に何らかの影響を及ぼしてる。


そう、感情は言葉にしたほうが文化的で人間味溢れるものになるけど

身体的変化を通じて数字に落とすことも出来る。

自分の気持ちを理解して欲しい
わたしの感情を伝えたい

そんなときは
数字にすることもひとつの手法なのだ。


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