元気があれば、なんにでもなれる。

「なんか楽しいことない?」と夫に尋ねると、「べつにない」と返ってきた。

「なんか楽しいことない?」と母に尋ねると、「そうねえ」と言いながらでたらめな替え歌とくだらない話をし笑いだした。

「なんか楽しいことないですか?」と職場で尋ねると、先輩はトマトを頬張りながら「ない」と唸った。


楽しいことってなんだろう、から始まる終わりのない旅。


なんにも楽しくない、仕事も、なにも。

なにもってなに?仕事以外になにもないの?ーーーないな。

趣味は?どっか出かけておいでよーーーどこに?

周りの人はみんな自分を持ってて、がんばっているのに、わたしはーーーーなにもない。趣味も、特技も、仕事も、全部いまひとつ。


だいたい、体調が悪い時はそんなことを思いつめ、谷底へ落ちていくように思う。


休職していたとき、無職のときは、当然のことながら金銭的な不安が膨らんでいった。

傷病手当や国民年金の納付猶予など、使える手段は全部使い、お金をセーブした。復職や再就職のために手を尽くし、また白衣を着るようになった。安定して収入が得られるのが、労働者のいいところ。看護師という仕事は、選ばなければ大体就職でき、大体一人で食べていくだけの給料をいただける。


「かんごふさんなんだ、いいね。お給料いいんでしょ?」

この仕事をしている人はだいたいこの言葉にモヤモヤすると聞く。

額面だけ見ればいいお給料だと思うけれど、看護師が何年も売り手市場で離職率が高く、潜在看護師を発掘しまた働かせるための法律までできている(ナースバンクのこと)ことを考えると、お給料では測れない何かを感じている人は私だけではないんだと思う。


老後2000万円の試算、という文字がテレビで新聞でネットで踊っている。

金融庁は何年も前からiDeCoやNISAを推し進めていたのだから、今にわかった話ではない。資産運用を迫られているのだと思う。

資産運用も大切、貯金も大切。


でも、私の場合「健康で長く働き続けること」が何よりも大切なように思う。

身体を壊さず、ほそぼそとでも働き続けること。

今の私が思う「楽しいこと」が無くてもいい、何かに夢中になれなくてもいい

ありのままで、私らしく生きていけたら。



難しいことは考えずに、新しいスニーカーを履いて出かけてみようかと思う。


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