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【大河ドラマ・光る君へ】涼しい顔で猛ダッシュする乙丸と、カッコいいご主人の真似をする百舌彦。

毎回面白くてあっという間に時間が過ぎる。
そして、来週が待ち遠しくて仕方ない。

第9回・遠くの国へ

感想です。

*****

「こいつは憎き貴族の若君だぜ、悔しくねぇのか!」

盗賊に入って逃げそこなった直秀たち。
東三条殿の警備の者たちに、訴えかける直秀。

そんなこと言ったってさ。
彼らは衣食住を貴族に頼ってるもんね。

贅沢な暮らしは出来ないけど、とりあえず暮らせてるのは貴族のおかげ。
もし解雇されたらそれこそ日々の暮らしにも困る。
そういう立場では、直秀と同じような気持ちにはならないんじゃないかな。

そもそも一般庶民のうちの何割が、貴族を「憎い」と思っていただろうか。
憎いも何も、そこまで強い感情を持つほど関わったことがあるだろうか。

「自分たちとは関係ない」とか思ってたんじゃないかなぁ。
もちろん税を取り立ててるのは貴族たちと、その頂点にいる天皇だけど、そんなところまで意識してたかなぁ。

実際のところ、税を取り立てるのは下級役人だし。
庶民に関係するのは下級役人だと思うんだよね。
だから、仮に何かがあって「憎い」という強い感情が発生するなら、下級役人相手じゃないだろうか。

*****

「もうよい。お行きなさい」

倫子ママ、赤染衛門に倫子の道長への気持ちを聞く。
倫子ママ、衛門に倫子パパがらみの嫌味を言う。
赤染衛門、困惑?

衛門のあの表情は、「困惑」なのだろうか。
倫子パパとの密会がバレちゃった!
…っていう表情には見えなかったけど。

*****

「どうぞ。お帰りくださいませ」

獄の役人がワイロを受け取ったあと、まひろたちまで獄に連行されてくる。
道長が「身柄を引き取る」と申し出て、まひろたちは解放される。

道長とまひろたちを見送る獄の役人の、「けっ」という顔。

彼は、貴族を嫌っているのだろう。
もしかしたら、それこそ憎んでいるかもしれない。

もらうものはもらう。
しかし心から服従しているわけでは、けして、ない。
そういう顔だった。

*****

まひろをのせて馬を走らせる道長。
…を追いかけて、ひた走るふたりの従者たち。

身分差とはそういうものだろうけど。
それにしても、馬の走りによくついて行くよな。

普段から馬に乗ってる道長の従者は、馬の速度に慣れてるかもしれない。
でもまひろの従者は、馬の速度には慣れてないだろう。
姫さまとともに歩いてばかりだから。

・・・と思ったら。
道長とまひろに追いついたときに息をきらしていたのは、なんと道長の従者だけ。
まひろの従者は平常運転。
ぼーっとした顔してるわりに、やるわね!

*****

「そんなに信用できない者たちを、右大臣家は雇っているの?」

まひろさーん。。。

やっぱりまひろと道長は住む世界が違うんだな、と思わされる一言。
少人数の従者と、まるで家族のように暮らしているまひろには、想像もつかない世界なのかもしれない。

*****

「信用できる者なぞ誰もおらぬ。親、兄弟とて同じだ」
と言ったそばから
「まひろのことは、信じておる」

いやぁ。そんなこと言われても。
人間不信なんでしょ、あなた。
本当にまひろのこと信じてるようには聞こえないなー。

でも「直秀のことも信じている」っていう話には説得力があった。
散楽でも盗賊でも、筋が通っているから、と。

道長は筋が通っている人が好きなんだね。
裏の裏の裏の表とかまで読まなきゃいけない人たちとの暮らしは大変だもんね。

*****

「直秀の望むとおり、海の見える国だとよいが…」
「そうね。海の見える国…」

ぎゃあ!ばさばさばさばさばさ・・・

直秀たちと海の見える国について思いをはせるふたりの前で、鳥の大群が一斉に飛び立つ。
まるで、海の見える国に旅立つかのように。

*****

「何を言われるというのだ」
道長は面白くなさそうにつぶやく。

自宅が土御門殿の近くだから、送ってもらうところを(土御門殿の人に)見られたら何を言われるか分からない、と言って去って行ったまひろ。

サロンで人付き合いを学んだ成果だ!
まひろったら、ちゃんと危険予知・回避が出来るようになった。
よかったわね~。
これなら将来、宮中にあがってもやっていけるんじゃない?笑

道長は姉上から「土御門殿の姫君と結婚しろ」と言われている。
でもそんなつもりはない。
まひろラブだもの。

それに道長は知らないのだ。
土御門殿の倫子が道長にホレてしまったことを。
さらに、それをまひろが知っていることも。

*****

「俺だって字くらい読めるんだよ」

寝転がって書物を読む弟くん。
まるで今日発売の少年ジャンプを読んでいるかのよう。

字を読めるのはいいけど、いったい何を読んでるんだろう???

*****

「そんなもの飲んで良くなるとも思えぬが…」

そう!そのとおり。
お上、あなたの仰るとおり。
恋の病は薬湯などで治りはしません!

「おまえが言うなら飲もう」

はやっ!
道兼のこと、信じるのが早すぎるっ!!
もう少し時間をかけて信用すべきでしょう。
薬湯をもらう相手は、よく気をつけないとっ!!!

そばについてるまひろパパはそういう点でまったく使えない男だしなぁ…。

*****

「薬湯で涙し、よしこを想って涙し、朕の人生とはなんであろうか」

うわぉ。
ずいぶんと詩的なことを仰いますな。
漢詩でも作られてはいかがかと…。

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「足りぬ。もっともっとつぎ込め」

え。そんなお酒か金のような物言い!?
義懐は蔵人頭・藤原実資のところにお上の愛妾候補を出せと言いに来た。

そんなこと言うなら自分の娘でも差し出したら、政治的な意味でもいいだろうに。
娘、いないんだな、きっと。
そして親戚筋で養女に出来るような女の子もいないと。

でも「政(まつりごと)とて滞りかねん」と言ってるから、さすがにそういうのはマズイと思ってるのね。

「いつまでめそめそされておるのだ。新しいおなごを抱けば、お気持ちも変わろうというものだ」
「なんという不敬な!」

義懐、本音を隠そうともしない。
花山天皇がめそめそし続けて、義懐が思うままに動かせばいいのに。
そこまでしないってことは、本物の悪党じゃないのね。
道長パパだったら、うまいことやりそうだけど。

*****

「まったく、手のかかる帝だ」
言い捨てて去っていく義懐。

花山天皇が、ちょっと哀れ。
誰も、花山天皇の心配なんかしてないもんね。

いつまでもめそめそしてて、いい加減にしろ!と言いたい気持ちも、新しい女を用意しろ!という気持ちも、分からなくはない。
でも、根底に花山天皇を敬う気持ちがまったくないのが丸わかり。

まひろパパだけが、花山天皇を心から心配している。
でも、あの人、無力すぎる。

まひろパパこそ、先々「お供します」とか言ってもおかしくないよね。
しないけどさ。

*****

「お心安らかに旅立たれませ」
「そうはいかぬぞ」
「いやあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

道長姉は、道長パパに似て策士だけど、ちょっとまだ青いところがあるな。
手の内をいちいち、さらけ出しちゃうのとか、どうかと思う。

兼家が病床から起き上がって、子どもたちに秘密を打ち明ける。
そんなことになっていたとは・・・と、驚く子どもたち、っていうか私。
思いっきり兼家にだまされた。

兼家の話を聞いている間中、きらきらっの希望に満ちた表情で話を聞く道兼が・・・あわれで仕方ない。

「兄上や道長より、私が役に立つと、父上がお思いになったからです」

そうです。そうです。そのとおりです。
汚い仕事はあなたに任せたいのよ。
あわれ、道兼・・・。

「お上のお悲しみに比べれば、どうということもございません」
自分の身体の傷など、たいしたことではないと言う道兼。

お上に取り入るためとはいえ、わざとらしすぎる。
それを聞いているのか、いないのか。
自分にいいところだけ聞いて、いいように解釈してしまったのかな、花山天皇。

*****

「卯の刻、直秀が都を出る。別れを告げるなら、共にまいろう」
まひろの家の門前での、道長従者とまひろ従者のやりとり。

なんでそんな、近いのーっ!って思ったけど。
あれ、道長従者が、カッコいいご主人様の真似してたんだな。

前にも往来で、道長のうしろで、カッコいいご主人様の真似、してたもんね。

*****

鳥辺野に転がされた、直秀たち。
それを眺める道長とまひろ。

いやはや。私は呆然としたよ。
なんで?なんで?って。
倒れてるふりだよね?って。

完全にまひろの気持ちになってた。

*****

道長が直秀の手に、自分の扇を持たせたのは、なにか意味があるんだろうか。
死者の手に持たせることで、極楽往生できるとか、当時の習慣だったりするのかな。
それとも、せめてものはなむけ?

しかし、道長とまひろのふたりだけで、道具もなしに、6人を土に埋めてあげるのは。
無理でしょう。
時間的にも。

*****

それにしても、獄の役人。
ワイロはもらったのに、本来の刑よりもさらに重い刑にするとは。

でも、あの役人にとってはワイロが逆効果だったんだよね。
道長の後ろ姿に「けっ」てしてた、貴族嫌いの役人。

庶民とはいえ、貴族がワイロを贈ってくるような奴らなら、貴族の仲間も同然。
いや、むしろ、自分よりずっと下の盗賊のくせに、貴族に助けてもらうなんて!と怒りを通り越して、憎しみがわいたのかもしれない。

道長は、ワイロの使いどころを間違えてしまった。
それだけだ。

この苦い経験、この先にどのように生きてくるのか。

*****

「右大臣様がお目覚めになったということは、成仏できないよしこ様の御霊が、内裏に飛んできたということにございます」
自信たっぷりに言い切る安倍晴明。

いや待て。
べつに内裏に飛んできたとは限らないだろう。
ほかの貴族のところへ飛んで行ってもよかろう。

内裏での不穏な出来事さえなければ、お上だってきっとそう思うに違いない。
そうに違いない・・・かな?

もう、よしこよしこよしこ…でアタマがいっぱいの花山天皇は、常識でものを考えられなくなってるし。
そもそも花山天皇は令和ではなく、平安の世に生きてるわけだし。

よしこ様の御霊が飛んできちゃった話も鵜呑みにするよね。

でも、それなら。
「よしこー。どうせなら朕のところへ来てくれー」ってなればいいのに。

「よしこー。朕もそちらへ連れて行ってくれー。お腹の子と3人で仲良く暮らそうぞ~」ってならないよね。
なんで?

*****

「よしこ様は苦しんでおられます。成仏しようともがいておられます」

ホントかよ!
だったら右大臣に取りつかないでしょ。
宮中に物の怪騒ぎを起こしたりしないでしょ。

ホントに安倍晴明って悪賢いんんだから。

・・・って「お上っっっ!!!!!」と全力で叫ぶしかない私。

花山天皇が御簾の内から飛び出してきちゃった。

なんでもあり。

*****

「ならば、お上が出家あそばされるしか、ございません」

ぎりぎりぎりっと安倍晴明をにらみつける花山天皇。

えっとー。
なんでもするって言ったよね?
よしこの成仏のためなら、なんでもって言ったよね?
出家って言われたら、即座に「分かった。出家する」って言わないんだ。

この花山天皇なら即答するかと思ったのに。
(そしたら道兼、身体を痛めつけ損になるけど)

やっぱり天皇が、天皇でなくなるというのは一大事なんだねぇ。

*****

「父上、これまでお育てくださり、学問をご教授下さり、ありがとうございました」

まぁ・・・なんて凛々しいまひろ弟。
学問のほうは、微妙だけどね。

ところで、まひろが賢すぎて、まひろ弟は学問がダメ扱いされてるけど、実際のところはどうだったんだろう。

そこまでひどかったんだろうか。
まひろがすごいから霞んじゃってただけかな。

*****

「・・・温故知新・・・肝に銘じよ」
四字熟語を4つも並べるまひろパパ。

すみません。
私、モノを知らなすぎて、温故知新しか分からない。

「今の分かった?」
「ひとつ分かった」

のやりとりに、本気でウケた。

どうしよう…全然分からない…って思ってるところに、まひろからのツッコミがきて、ちょっとビビり。

ひとつ分かった、という弟の言葉に激しく同意し。

すみません。
私も精進します。

*****

「おまえが男であったらと…今も思うた」

ねぇ。
まひろパパ、それ、しつこすぎると思う。

そういう世の中だったことは事実だし、そういう発言があったことも事実らしいけど。
それにしても、ドラマの中で何度も何度も言い過ぎ!

当然、どういう形でか、回収されるんでしょうね?

・・・と思ったら、速攻回収された。

「私も、この頃そう思います~(略)~内裏にあがり、世を正します」

まひろにこれを言わせるための、「おまえが男であったら」だったのね。
納得。

最初は、これを言われても何も言い返せなかったまひろが、そのうち「おなごでも出来ることがある」と言うようになり、ついには「男だったら世を正す」とまで言い始めた。

まひろが少しずつ進化している。


*~*~*

今回も面白かった。
そして・・・うわあああああ!
来週もヤバい。
政治的に、いよいよアレがきた。
けどまひろと道長がぁぁぁぁぁ!


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