見出し画像

はじめての北海道最終日〜釧路散策とロシア語探しと釧路空港と全体のまとめ


1.朝食で鹿を食べる
2.和菓子屋さん
3.釧路駅前のロシア語探しとか
4.久しぶりの太平洋
5.タンチョウ飼育施設
6.釧路空港
7.全体のまとめ
7-1. 白樺のある風景と早い日没
7-2. 食べ物
7-3. 闇と町と静けさ
7-4. お土産選びに悩む幸せ
8.お礼
9.次のnoteのこと

1.朝食で鹿を食べる

 初日の夜に鹿のスープカレーを目指して行って取り扱いが終わっていて残念に思っていました。今日の朝食に鹿肉のしぐれ煮がありました!

画像1

 食感も味も牛肉に似ていて、少しだけ繊維が硬くて美味しかったです。

画像2


 ほかに、牛乳はもちろん、コーヒーまでもが道内産でした。牛乳は輪郭のはっきりした香りがあり、コーヒーも私が好きな酸味控えめの苦味が強めで美味しかったです。

画像3
画像4

 満腹で食べられませんでしたがほかにも道内産の食物を使ったメニューがたくさんありました。

画像5
画像6


 今回そこまで高級なホテルには泊まっておらず、いわゆるビジネスホテルのちょっと豪華なところに留めました。予算はどこも朝食付き・禁煙・ひとりで8000円以下です(旅行支援が始まる前に予約しました)。しかし全てのホテルで朝食に北海道産の食品が使われていて、地産地消推進という政治的経済的な理由も当然あるのでしょうが、観光客としては来た甲斐がある楽しみでした。美味しいとわかれば、関西に戻ってもなにかを取り寄せるときにホテルで見た地名を手がかりに探せます。

 ちなみに朝食会場にあったこの看板。「食べ残すと…」からの主文の主語が熊でした。北海道らしくて笑ってしまいました。

画像7

2.和菓子屋さん
 最終日に必ず行きたかった浦田菓子舗というお店へ行きました。
 北海道は乳製品が有名ですが、小豆も美味しいのできっと和菓子も美味しいはずです。和菓子は日持ちがしにくいので最終日に行くことにして、今回の旅程はここを最終目的地にして決めました。特にここを選んだのはアイヌの模様を模したパッケージのお菓子が前から気になっていたからです。
 店内に入ると感じの良いお姉さんが迎えてくださり、このアイヌの模様のお菓子を無事に購入しました。

画像9

 和菓子屋さんのはずですが、隣のショーケースのアップルパイもすごくおいしそうでした。お値段も手頃でとても惹かれました。

画像10

 関西でもよく聞くお店でずっと来たかったとお店の方に話すとここまでの知名度があるとは思わなかったそうで驚かれ、アップルパイは飛行機に持って乗ることはできないので次に来た時にホテルでいただきますねと話してお店を後にしました。

画像8

 こちらのお菓子をいただいた感想は、また後日noteにあげます。

3.釧路駅前のロシア語探し

 浦田菓子舗からそのまま釧路駅へ散歩しました。
 鶴モチーフのバス停。

画像11

 道東が行政だけではなく一般的にも用いられてる実例に遭遇して嬉しくなりました。

画像12

 熊を怖いものとして扱う場所にしては珍しく、かしこまっている熊。

画像13

 そして、底辺ロシア語学習者としてずーーっと生で見たかった、

画像14

  釧路駅前の交番のロシア語看板!!

画像15

 「釧路」はともかく「駅前」までただの音転写になってて大丈夫なのかな?などと話しながらはしゃいで写真を撮っていたら奥から警察官がドア付近まで来たので、オタクによる国家権力組織の観光資源化罪の疑い(そんなものはない)で職務質問されるのかと免許証をいつでも出せる用意で待ってましたのに私を嬉しそうに眺めてただけでした。
 ツイッターでフォロワーが多い奴は珍獣と思われてるだけとよく聞きますが現実として実感した朝の和やかなひとときでした。

 もう一ヶ所ツイッター映えしそうな場所、レストランを見つけました。ッピ!!

※「ピリカ」にはアイヌ語で「美しい」という意味があり、これはエトピリカの略称ではありません。

画像16

 この近くで古本屋に吸い込まれ、気づいたら2冊保護していました。アイヌの本とロシアの文学に関する本が多くてやはりここは北海道だと実感しました。以前も奈良の旅行記に書きましたが、古本屋はその土地の知的営為の地層です。その地層を覗ける古本屋めぐりも楽しい観光です。重たいスーツケースがさらに重くなった気がしましたが、廃棄されるかもしれなかった本を読む人が手にして地球も喜んで元気になって私のスーツケースだけ重力が強くなっていると思うことにしました。

画像17

4.久しぶりの太平洋
 昨夜は真っ暗で見れなかった釧路港へ行きました。とても広い青緑が深くて鮮やかでした。そして3度で強風でした…!

画像18

 近くで釣りをしてたおじいさんに何が釣れるのかと話しかけたら「シカ」と聞こえて、観光客を揶揄ってるの?と思いましたがそういう名前の魚がいるようです。バケツの中の写真撮っていいよと言われて、「氷の下にいそうな魚ですね!」と伝えると「内地の人か」と見抜かれました。

画像19


 楽しくて美しい港でした。

5.タンチョウを見る

 きのう湿原でタンチョウではなく牛を見たと嘆いていたら空港の近くの釧路市丹頂自然公園、タンチョウを飼育展示している施設へ友人が連れて行ってくれました。

画像20

 野生下で捕獲された個体もいました。

画像21
画像23

飼育員さんが作成したタンチョウの説明、鶴の出てくる諺の解説もあり楽しかったです。

画像22

6. 釧路空港

 ついに最後の目的地、釧路空港へ着きました。見送ってくれるタンチョウ。

画像24

 最後にザンギを食べれました!唐揚げとは違うとこれまで北海道出身者から聞いていて注意深く味わいました。…違いは唐揚げより粉が少なくて生姜が強いことでしょうか?美味しかった!

画像25

7-1. 白樺のある風景と早い日没
 今回の旅でずっと楽しみにしていたのが白樺が当たり前にある風景でした。白樺はヨーロッパの寒冷地に自生する樹木との認識だったので、日本語の響く空間つまり私が何も考えずに喋っても意思疎通ができる場所にこの白い木があることが信じられませんでした。

画像30
画像26


 初日に新千歳空港から札幌経由で小樽へ向かう途中にも白樺があり、あまりにも当たり前にあるので本物だとは思えませんでした。翌日から友人と合流してからは、富良野や清里町、網走でことあるごとに「これも白樺?」「これも?」とまるで3歳児かのような質問を連発していました。

画像27


 道内出身の友人は丸一日も見てれば飽きると言いましたが、4日眺めても飽きることはありませんでした…!広く青い空に映える白い幹、紅葉をさらに鮮やかに見せる白い枝、静けさと闇が支配する夜の山に並ぶ細い枝は街灯のような明るさを感じて何度見ても楽しいものでした。

画像28
画像29


 日没に関して、初日と2日目では私は盛大な勘違いをしていました。北海道では毎日15時ぐらいに天候が崩れるのかと感じていたら、夕暮れが15時ごろに始まるようでした。16時半には完全に夕日が地平線に沈む夕暮れになり、17時には真っ暗になっていました。調べたところ釧路と明石では日没に約50分の差があるようです。ずいぶんと東まで行ったからには、時差を経験できて楽しかったです。

7-2.食べ物
 初日のnoteで、研究室の後輩院生が「北海道は食べ物が隅々まで美味しい」と話したことが私を余計に北海道へ行きたくさせたと書きました。それが全く誇張ではないと実感しました。味付けや名称が独特でも、どれも大切に育てられた味がしました。(カツゲンだけはごめんなさい…)
 海産物もデパ地下スイーツも、セコマのおにぎりも美味しかったです。六花亭や柳月のお菓子は持って帰ることにして旅行中は一度も食べていないのでこれはまたnoteに書きます。

7-3. 闇と町と静けさ

 北海道で何度も感じたのは夜の闇の力強さでした。初日の夜に札幌から旭川へ向かう途中、駅を発車するととたんに真っ暗になり、トンネルに入ったかと錯覚する闇が続くのに三半規管は正常で不思議でした。
 私が関西の眩しい夜に慣れていることや先述の日没の早さの関係もあるのでしょうが、2日目の石北峠から網走へ向かう道にしても街灯がほとんどなく、吸い込まれるような闇に恐怖を感じました。
 友人いわく「街灯は歩行者のためのものなので、人がほとんど歩かずみんなが車移動の土地では街灯は不要」との解説でした。人口密度の低さと生活環境、広大な大地は恐ろしい闇と隣り合わせなのですね。
 闇の中に人家の明かりが見えてくるなんて西漸運動時代を描いたアメリカの小説でしか知りませんでした。2022年の日本でも同じことを経験してとても驚きました。町と町の間隔が広いと聞いていたものの、実際に、どんな小さな町の小さな郵便局でもそれは一つの鉄道駅のような重要な公共施設と知りました。「主要都市」と慣例的に表現するのは知っていても、小さな町も大きな町も実際に巡った今、北海道では全ての町が主要都市に感じます。
闇と町の全てを包むのが静けさでした。昼間でもほとんど対向車の来ない国道、自分のブーツのヒールの音が響く湖畔や道の駅。穏やかな静けさではなく、大地の深呼吸にも思える威厳のある静けさでした。
 ここに書いたことは所詮は都会の人間のオリエンタリズムと言われればそれまででしょう。気温は私には快適でしたが、ここで暮らすのはインフラや物質的な面でとても大変だろうと察しました。今回何度も友人のカーナビから聞こえてきた「目的地まで5km以上、道なりです」この距離を自力で運転するのが当然の場所で生きる力は私にはありません。たった数日旅しただけですが、試される大地と称される理由の一端が垣間見えました。

7-4. お土産選びに悩む幸せ

 日常からの逃避の如く強行した旅行でしたが、北海道の道の駅を制覇しようとしてる友人のおかげで何箇所もの道の駅でお土産を眺める機会がありました。そこで自分が全く、定番商品や無難なものを選ぼうとしていないことに気づきました。旅行を終えて日常に戻ってからも友人や知人に会う予定がたくさんあり、それぞれの趣味を細かく把握していて共通の話題が豊富な関係性の人が何人もいるのは何と幸せでしょう。趣味や話題に応じてこれをあの人に渡せばきっと私の意図を分かって笑ってくれると思いながらお土産選びに悩む時間を過ごすうちに、旅行を終える寂しさよりも楽しみが優っていきました。

8. お礼
 今回の旅行にあたって、室蘭出身のスペイン語学者の土屋亮先生、帯広在住の友人、北海道出身の西洋古典学者の川本悠紀子先生に非常に具体的で親身な助言をいただきました。特に土屋先生は私の現在の居住地である関西で学生時代を過ごされた経験があり距離や鉄道の運行本数の感覚の違いについて分かりやすく教えてくださいました。
 帯広在住の友人は2日目に380kmという京都から中山道経由で山梨県まで至る距離を運転し、さらに翌日は京都駅から中部国際空港まで行ける距離を運転して観光案内をしてくれました。合計の運転距離は京都から仙台よりさらに北の距離を超えているようです。長距離の運転と、この気難しい人間に付き合ってくれるのはとても疲れることでしたでしょう。
 そして、Twitterの方々から教えていただいた文献や見るべき場所も参考にさせていただきました。「いにしえのFF」ことかっぱちゃん、わしおさん、ヤンタルヌイ琥珀糖さん、Y.S.さん、ありがとうございました。今回、2〜4日目を案内してくれた友人曰く「グリさんは北海道再履修確定してる」とのことで、実際に私も全ての都市の概論を落単したと感じます。想像はしていましたが、想像以上に広く、見るものがたくさんありました!

9.次のnoteのこと

 北海道で私は主に自分用には食品を買っていました。かぼちゃスイーツが大好きなので、北海道のかぼちゃのお菓子を食べ比べするためです。すでに何種類か食べましたが、何日かに分けて食べ終わってからその報告をnoteに上げます。

 毎晩思いつくままに書いていたこの旅行記もここで終わらなければなりません。毎晩お読みくださった方々、ありがとうございました。

画像31



自身でもバイトはしておりますが、外国語文献の取り寄せなどに費用がかかり生活は楽ではありません。もしよろしければご支援いただければありがたく存じます。