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ICUダイアリーの実際とは? その1

今回は、実際にICUダイアリーを使っている病院の医療者さんにインタビューをしたお話しです。まだまだ浸透していないICUダイアリーですが、実際の現場での工夫や、課題も見えてきました。

どんな患者さまにICUダイアリーをつけるのでしょうか?

現状は、全員ではなく入室中にネガティブな反応が多くなったり「生きているのがつらい・・・」と言う発言がみられた患者さんや、家族が遠方でお見舞いこれなかったりする方などにダイアリーをつけていました。

特に、ご家族が来た時にいなかった間の様子を知ってもらうことも含めて
あえてダイアリー残すと言うことをやっていましたね。

全員にダイアリーをつけられないのは業務量がふえるなどの理由でしょうか?

確かにそうですね・・・そういった側面もありますし
ICUダイアリーがどこまで効果があるのか、勉強中のところもあるので
PICS予防が必要そうな患者さんをあえて選んでいます。

実際どのような感じでICUダイアリーを作成していますか?

基本的にはだいたい文字だけですね。写真は撮れた時だけです。
タイミングによってしまうので・・・
ダイアリーとはちがうのですが、長期の入院の方などは笑顔の瞬間を撮影しておき、後日印刷してご家族の面会時にみせるなどはありますよ。

いいシーンが撮れそうな時を狙って撮影する感じですね。ダイアリーはまだ
まだですけどね。

写真撮影したものはご家族にお渡ししていますか?

渡せる状況なら渡しています。データで送信などはしないですが、
プリントアウトできるタイミングがあって、ご家族がいらっしゃった時にお渡しもありますし、事前に写真を印刷し、シールなどで装飾して患者さんのベッドサイドに置いておくなどもあります。


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はっきりとしたエビデンスがまだ見えない中で業務負荷とのバランスをしながら工夫してテスト運用されていました。エビデンスとは検証して初めてみえてくるものなので、鶏が先か卵が先か?という議論にもなりがちです。
そんな中でもまず実践してみる、という大切さを学びました。
次回は、ICUダイアリーの中身について色々伺ったことをお話しします。

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