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美術鑑賞の原点について自分なりに考えてみた➖アーティゾン美術館にて

今日、アーティゾン美術館に行ってきました。改めて、いろいろ考えることができ、有意義な時間に。展示テーマは、abstraction、つまり、抽象画。

皆さんは抽象画と聞いて、どんな印象を持ちますか?何が描いてあるのか分からない、と思う方も多いかもしれませんね。私もそう思っていたとき、ありました。今は、自由に想像力を広げて観ることができる、素敵な絵画の一ジャンルだと捉えております。

今回、ひさしぶりの絵画をメインにした美術館だったこともあり、展示室へ入った途端、作品の見方についての思索がまず始まりました。

『絵画を観るとき、作者の背景や抽象絵画の変遷の歴史を学んでから観ると見方が深まるのだろうか。それとも、そういう知識は一切なくて、初見での感覚を大切にするのが良いのだろうか。』という疑問が今回のお題。

これの答えはおそらくこうでしょう。すなわち、『両方やれ』。他の人ならいざ知らず、美術商という仕事に就いているのですから。唯、全ての美術作家についてやる必要もないと思うのです。私の答えは、『おおまかな歴史の流れの勉強はもちろん大事。そして、作家個人に対しては、作品を観てその上で背景を知りたくなった作家を後で勉強すればいい』ということ。

私事ですが、最近市場で、篠田桃紅氏の作品を仕入れました。実際に買うと、やはり勉強も進みます。それも『好きになった作家だから』ですよね。

また、こんなこともありました。それは、ついついネームバリューで絵の良し悪しを判断してしまう怖さ。ゴッホとかゴーギャン、ピカソなど知名度がある人の作品には何か素晴らしいものがあるのだろう、というような。頭の中で、これも修正。それでわいかんぞ。自分の眼を信じて、なんかかっこいいという感覚を大切に絵画と向き合う方がいいよな、と。

以下、惹かれた作品を載せておきます。

クプカ 『赤い背景のエチュード』
ドローネー 『街の窓』
カンディンスキー 『自らが輝く』
村上三郎 『作品』

今、今回の図録を見ながら、この文を書いております。画家それぞれに、さまざまな背景があるなぁと改めて感じます。皆、絵画という表現に魅せられて、絵と一生を生きたのでしょう。そのことを忘れずに、真摯に向き合っていこうと改めて思う所存です。

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