見出し画像

【絵本レビュー】 『ねえ、おきてる?』

作者/絵:ソフィー・ブラックオール
訳:もとしたいづみ
出版社:光村教育図書
発行日:2011年10月

『ねえ、おきてる?』のあらすじ:

なんでおきてないの?なんでねてるの?なんでまだよるなの?ねえ、ママ、ママったら。
おめめぱっちりなエドワードは、朝の4時からエンジン全開! 眠っているママのまぶたを無理矢理開けて起こした後は、「なんで、まだよるなの?」「なんで、おひさまがでてないの?」とママを質問攻めにして…。


『ねえ、おきてる?』を読んだ感想:

私の息子の話かと思いました。

最近は少し良くなってきたのですが、少し前までは寝ている耳元に大きな声で怒鳴られて、心臓が止まるかと思ったことが何度もありました。旦那はあまりにもびっくりして、「キュー!」なんて、犬のゴムのおもちゃみたいな音を出して飛び起きてました。もちろん息子はバッチリ怒られていましたけれどね。

もともと声が異様に大きい息子なのですが、最近は朝だけは少し制御してくれています。それでも深く眠っている耳元に生暖かい空気とともに「ママ〜。いっしょにあそぼう」なんて言われると、やっぱり心臓が飛び出しそうになります。

「なんで」と「どうして」は子供たちの十八番ですね。四歳の息子も絶好調に「なんで」「どうして」をかっ飛ばしています。ここだけの話ですが、私はこの押し問答が割と好きです。「もうまた、なんで、が始まったよ」というママ友達が多いので言いませんが、私は次々と飛ばされてくる「なんで」「どうして」の球を巨大ラケットで返すのを楽しんでいます。

今夜の寝る前の会話から。

息子「ねえ、ペンギンのあしはきたないの?」
私「汚くはないんじゃない」
息子「ゆきのうえにいるから?」
私「そうだね」
息子「なんでゆきのうえにいるの?」
私「寒いところに住んでいるから」
息子「なんでさむいところにすんでるの?」
私「寒いところに生まれたから」
息子「なんで寒いところに生まれたの?」
私「ペンギンのお父さんとお母さんが寒いところにいたからじゃない?」
息子「なんでペンギンのおとうさんとおかあさんがさむいところにいたの?」
私「ペンギンのお父さんとお母さんのお父さんとお母さんとそのまたお父さんとお母さんが、寒いところにいたからじゃない?」
息子「へっ?」
私「君はどこで生まれたの?」
息子「ベルリン」
私「ママはどこで生まれたか知ってる?」
息子「ベルリン」
私「違うよ」
息子「どこ?」
私「日本」
息子「にほんは、おばあちゃんがいるところ?」
私「そう。おばあちゃんも日本で生まれたの。ママのパパとママが日本にいたからママも日本で生まれたの」
息子「どうしておばあちゃんは日本にいたの?」
私「大きいおばあちゃんとおじいちゃんが日本にいたから。そのお父さんとお母さんとそのまたお父さんとお母さんも日本にいたの」
息子「〇〇もにほんいきたい。おばあちゃんのおうちにすみたい」
私「そうだね。おばあちゃん喜ぶと思うよ、しばらくは。で、ちょっとしたら「疲れた〜」って言うよ」
息子「どうして?」
私「〇〇が喋るのやめないから」
息子「え〜、なんで?」
私「喋るのやめれる?」
息子「やめれな〜い」

ケラケラ笑いながら息子は寝てしまいました。私がリビングに戻ってくると、旦那が言いました。

「今日さ、〇〇に質問されたことが頭から離れないよ」

聞いてみると、息子の質問は、

「ペンギンには舌があるの」だそうです。

「なんて答えたの?」と聞くと、旦那はなんと考えたこともない質問に詰まってしまって、何も答えなかったんだそうです。なんてこった。


『ねえ、おきてる?』の作者紹介:


ソフィー・ブラックオール(Sophie Blackall)
1970年オーストラリア生まれ、ニューヨーク在住。 絵本作家。 絵本、児童書のさし絵を数多く手がける。 『プーさんと であった日 世界でいちばん ゆうめいなクマのほんとうにあったお話』、『おーい、こちら灯台』(ともに評論社)で、コールデコット賞を2度受賞。生活の半分をニューヨークのブルックリンで過ごし、残りの半分は飛行機や船や電車に乗って世界を見てまわっている。


ソフィー・ブラックオールさんの他の作品


この記事が参加している募集

眠れない夜に

サポートしていただけるととても嬉しいです。いただいたサポートは、絵本を始めとする、海外に住む子供たちの日本語習得のための活動に利用させていただきます。