無性に食べたくなるもの

ええ、幾度も記していますが、そんなことを考える様に
なった発端は初めてリングに上った15歳の頃になります。


帰国して、食べたくて食べたくて夢にまで見た納豆と
味噌汁、卵かけご飯などを貪るように食べまくったことを
今も生生しく思い出すことが出来ます。

選手に必要な減量という過程を経験して一端のプロの
気分でいました。
減量の苦しさをこれまで自分が耳にしてきた、そしてその際
感じてきた雰囲気を聞き手ではなく話す側でそれを同輩等に
聞かせます。
生意気だったことは自覚しています

背伸びしたかったのですね。

毎日、如何にお腹一杯にするかを考えて楽しんでいました。

初めての減量中もそうでしたが、その前のタイでの生活中に
日本食が恋しくて恋しくて堪らなかったということもあります。


なので、僕の初めてのそれはご飯と納豆と味噌汁と生卵です。
勿論、今だってそれらを好きですが、小学生の頃から好物の鯖寿司に
絞るのはもう少し先になります。


同業者に始まり、各年代にその都度、そしてお会いしたその都度
各職業に各年齢のそれを伺ってきました。
なので、数え切れません。
データは尽く揃っていますが、保存先が僕の頭のHDになっています
ので、すぐに出てこない場合もございます。
容量少なく、要領悪いのですが、でも特殊な機能も搭載していまして
歪な性格だからなのか、度度フラッシュバックする際に添付して
記憶に蘇ります。


人見知りが激しく、知らない人と話すことが苦手なので、幾度も
記していますが、それを、そのまま話の流れで使うようになっていった
のです。



減量中の選手の胃袋の口から出てくるものは8割が肉です。
これは昔から変わりません。
「焼き肉食いたい。」
感情込めてそう発します。

焼肉屋のそれではなく、自宅で買ってきた肉を焼くそれでもいい
という人も中にはいます。
そして、肉ならばなんでもいいという方も以下同文。
そうなると、少し話の道は増えませんが広がります。

何ならば肉を食べたという気になるのかという議題になるからです。
生姜焼きという方もいれば、肉野菜炒めでもいいという方もいます。
これらの例えが分かりやすいのであげましたが、豚汁でもいいという
人もいれば、カレーライスでもいいという方にも遭遇したことが
あります。
しかし、カレーライスは広がった話に条件が加わります。
カレーライスという存在は、第三の男という位置づけでもあるからです。

論じているのは第一の男について、です。
肉について論じ合っているのに、そこでカレーを出してしまったら
話が若干ややこしくなります。
無性に食べたくなるもの3つの中には単独でエントリーされる
ことがあるからです。

ええ、僕もカレーライスは無性に食べたくなるパウンド・フォー・パウンドに常時名を連ねています。
クリームシチューであってもそれは「肉」で食べたくなるものに
含めてはいけません。


肉はとことん肉を想像させるものについてだけ熱く語り合いたいのです。
減量中の練習後に街灯の下、そんな雑談で苛立つ気持ちを宥め、
気休め程度にはなるけれど、空腹感を収める実に居心地のよい
時間になります。



なんの自慢にもなりません。
ただ、美味いもの食べ歩いて、自慢することがありならば、
僕らのこういった減量中のささやかな楽しみを語るのもまた
ありなのかなと思います。

世間でいう「美味いもの」、高価なそれを食べないでこんな歳まで
生きてきてしまいました。
決して自慢出来ない人生です。

そうやって記すと安心する自分と比較したがる心の狭い輩が
いるので安心させておきます。

ただ、旨いと感じる気持ちや、その感覚の温度はグルメと称される
方等に決して敗けていないと思います。
水一口で鳥肌を立てたことも、ため息が漏れ出たことも、
涙を溢したこともないでしょう。

このマガジンが試合のことだけでなくなって、バラけて
みっともないですが、でも、面白ければよいと思います。

食事のことや感覚的なことなど、減量に関することも試合に
つながるのでこちらに記そうかなと思います。

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デビュー戦からの全ての試合を販売する 回想録です。 1試合ずつ販売しているそれとは別の、 それです。

これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。