【万葉集】あかねさす~

額田王の歌

あかねさす 紫野ゆき 標野ゆき
野守は見ずや 君の袖振る   ~額田王~

紫草が栽培されている野や、立ち位置禁止の御料地を行ったり来たりしながら、あなたが袖を振っているのを、野の番人は見ていないでしょうか。

天武天皇の歌

紫草の にほへる妹を 憎くあらば
人妻ゆえに 我恋ひめやも

紫草のように美しいあなたのことが嫌いであれば、あなたは人妻なのにどうして私は恋焦がれることでしょうか。嫌いではないから恋焦がれているのです。

現代と比較すると

これは現代で言う「不倫」を歌にして詠んでいます。
現代であれば不倫はどんな理由があったとしても、完全に悪とされていますし、芸能人が不倫でもしようものなら仕事が一気になくなり人気も下落しますよね。
ただ、不倫をしている張本人たちは恋心が燃え上がっているので他人のことなどお構いなしです。

女性「奥さんが帰ってくるかもしれないときまで一緒にいたらばれちゃうわ。」
男性「そんなのどうだっていいよ。だって○○ちゃんのことが好きなんだもん。」

こんな感じでしょうか。とことんくずではありますが、和歌としてお互いに詠みあい、形に残すと乙な気がしますね。
現代では不倫相手とのLINEでのやり取りをすぐに消す人もいる中で、作品として残すとはなかなか度胸があるなあと感心します。

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