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ししりばの家/澤村伊智

皆さまこんにちわ。ずうのめ人形に続き、「ししりばの家」を読みました。

…これねぇ。今まで読んだ三冊の中で、ワタシ的に一番痛かった(>_<)。
誰かの書評で見たのですが、かなり精神的に来る。
大まかに言うと、「家」に憑いた妖怪がヒトを惑わす話なんだけどね。

事の起こりには比嘉姉妹の姉、琴子が関わっており。
大層小さかった頃の彼女、まだ自分のチカラを使うことなどできず、ただただ怯えていた琴子が出てくる。
まさかあの琴子が?!と思うけど、そんな彼女が自分の生き方を決めた話でもある。
物語の時系列から言うと、ししりばの家はぼぎわんより前の話になる。

読んでいると、(登場する)果歩の、行っちゃ駄目と言われたのに件の家に行っちまう行動に物凄くイライラしたり、勇大と果歩の通じ合えない夫婦間のやり取りを見るのが滅茶苦茶しんどかったり。
また五十嵐の、ハンで押したような引きこもり生活や、他人と接する時の怯えた話し方にもどかしさを感じたり。
そして琴子の孤独な闘いと。 恐怖。

物語の中の、たったひとつの救いは犬だ。
一条の光。
追い詰められた敵地、窓を開け放ち暗い外に向けて思いきり指笛を吹く五十嵐。

彼が生き残った意味はそこか、と理解する。

一連のことが終わって、琴子も少し変わる。
「オバケがいようといまいと、おかしなことが当たり前になるケースはあるから。
 どこの家でも、誰にでも」
この言葉。最後まで読むとよくわかる。

ししりばの家。
痛いしキツいけど、良かったっす(^ ^)
澤村伊智、さすがですな。

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