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不備・不満・不表明・不親切・不寛容

昨年度、マンション管理組合の理事長だったので、今年度は自動的に「監査」となっている。
新年度は5月の総会以降。
今日は8時から会計監査に行ってきた。

とはいえ、会計担当理事から提出された財務諸表はすでに管理会社がチェックしているので、私は説明を受けて押印するだけ。
仕事ではもう紙資料も押印も、対面での説明すらないので、一気に時代が逆行した気分になった。

私の代で大きな修繕も備品の補充も済ませて引き継いだので、今年度の会計処理については見るべきところもない。
当たり前だが、残証の数字も合い、明細にも曖昧なものなどない。
どこかの政府の派閥と違って。

私のときは、3月の理事会で総会前スケジュールを立て、あらかじめ前理事長の予定も考慮のうえで監査日時を決めていたのだが、今年は待てど暮らせど連絡がなかった。

決算書と議案書の印刷、事前配布を考えると、今日監査をやらなければ間に合わない。
3日前になってもウンともスンとも言ってこないのにたまりかね、こちらから問い合わせた。

あのね、私だってそんなに暇じゃないのよ(暇だけど)。
今日連絡して明日ってわけにはいかないのよ(主として心の準備)。
女だから、主婦だからどうせ何もすることがないだろうみたいに思われているのかもしれないと想像すると、
「その日は都合悪いです。どうして事前に確認してくださらなかったのですか?」
と言ってやりたい気持ちが募った。

でも言えない。
しかも、朝8時だという。
「在宅で土日も仕事を入れていて、明け方までやっているので、日曜のその時間は普通はまだ寝ています。」
というのが関の山。
まあ、年に数回そういう日もある。
でもいまは、暇である。
だけど、何か言ってやりたいじゃないか。
もしまだ介護が続いていたら、土日こそ分単位で予定が詰まっていたんだからね。
最低限1か月前に言ってもらわないと困るし、候補日が複数ないのは不親切だと思う。

管理会社の人は「申し訳ないです」と繰り返したが、彼が申し訳ないと思っている個所と、私が腹を立てているところは、一致していないような気がした。

面倒なので承諾した。
最後は、面倒になったほうが折れる。
くそっ!

自分ひとりの都合で成立する仕事ならまだしも、ひとさまと合わせる必要がある仕事を適当に済ませたり遅れたりするのがすごく嫌いだ。
他者の事情を想像することもしない、人としての「ぬるさ」みたいなもの。
しかし昨今では、それは受け入れないほうに「寛容さ」がないと非難されてしまう。
まあ、私は自分が不寛容なことを自覚しているけどね。

どうせ折れるなら、最初から気持ちよく承諾したほうがスムーズにいくことも承知している。
でも、それはしたくないのが私なのだ。
他人のモノサシが、自分のそれと同じだという思い込みを当たり前にしたくない。
「申し訳ない」と言えばなんでも通ると思うなよ。

でも約1時間の監査を、私はいつものように愛想よく過ごした。
マグマの噴出口はどこにも開いていない。
だから、彼は私がここにこんな苛立ちを書き散らかさずにいられないほど不愉快になっていることを、微塵も気づかない。
そうして、別のところでも繰り返すのだろう。

不備を指摘しなかった私は、不親切なのかもしれない。
自分と同じような「苛立つ人々」を作り出しているのは、温厚な対応で穏便に済ます側なのかもしれない。

朝食を食べていなかったので、昼食と兼ねてロッテリアの絶品チーズバーガーの出前を頼んだ。
今は配送料無料キャンペーン中だから。
珈琲を入れて、「The Voice France」の動画を見ている。
ようやく日曜日らしくなった。


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