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勝手につぶやき<光る君へ(第16回)&ドラマ完走予想>

今日の放送内容に触れているので、録画等をこれから見る予定の方はご承知おきください。

今回は、私としてはさほど見どころを感じなかったが、1年間の物語としては必要なできごとなのだろう。

★「鎮静剤」

まひろとの差を突きつけられ、「味方だと信じていたのに違った」と感じてしまうさわ。
まひろが「蜻蛉日記」の件で、さわをのけ者にするような場面はなかったし、敵とか味方とかいう話じゃないのだけれど、自己肯定感の低さゆえなのかもしれない。

「共感と癒し」に「共通項にすればするほど、逆に共通でないところばかり際立つ」と書いた。
いくら気が合っても、似ているように感じても、やっぱり違うのである。

不意に「鎮静剤」という詩を思い出した。
マリー・ローランサンの絵は苦手だけれど、この詩は好き。

退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。

マリー・ローランサン「鎮静剤」

さわが「もう死んでしまいたい!」と叫んだのは、忘れられることのほうが死ぬことよりも哀れだと感じているから。
自己肯定感を得るためには、自分以外の人に認知されることが必要なのだ。

そうして、人はその存在だけで誰かを傷つけてしまうことがある。
そのことに気づき、自らもまた傷つくまひろ。
しかし、存在だけで人を救えるものだということに「書く」という行為を通して、気づいていくのだろう。

★墨を磨る

短いけれども墨を磨るシーンが好きだ。
墨を磨るのは「思索」をあらわしているような気がする。
思い、迷い、戸惑い、困惑し、そういう自分を落ち着かせようとするすべてが「墨を磨る」に籠っているような。

小学校の担任が書道の授業のとき、墨汁を禁止して、必ず時間中に墨を磨らせていたことを思い出した。

★「香炉峰の雪」

ファンのためにお約束の場面を入れたという感じ。
思ったほどワクワクしなかったのは、そのあとの無邪気すぎる雪遊びのせいか。
小学生かよ!

★疫病

劇中の疫病は「天然痘」だろうか。
疱瘡は、発熱と同時に出てくるものではないと思う。(はしかや水疱瘡はタイムラグがあったけど、違うのかな)

加持祈祷や、せいぜい薬草での対症療法しかないのねと思ったけれど、令和になっての「コロナ元年」(2020年)も似たようなものだった。
いまも特効薬はない(庶民が容易に薬局で買えるものはない)わけだし。
医療スタッフが次々と感染し、ケアする側の手が足らないのも記憶に新しい。

帝が「貞観政要」を引用して、民をおそろかにし徳によるまつりごとを行わないせいで国が亡びるのは嫌だと言っていたが、いまも昔も、腐った政治そのものが疫病みたいなものか。
馬鹿な政治家につける薬はない。

★救い

字を教えることで人を救おうとしたまひろだが、たねの暮らしが良くなったわけではない。
学びでは救えないという悔しさが、懸命な看護をさせるのか。

最期に「あめ つち そら」とたねがつぶやいたのは、短い人生でまひろに字を教わり、習得していったときくらいしか楽しい時間がなかったからか。
まひろにとって、それがわずかながらでも救いになっていればいいと思う。


★第三の女

夫の心に嫡妻でもない妾でもない第三の女が棲んでいることを確信する倫子。
帰宅時の道長の態度がわかりやすい。
妻はこういうのに敏感なのよ。
倫子の笑いが怖いというより哀れ。
こういうとき泣く女のほうが、たぶん男にとっては扱いやすいのだろうと思う。


今季、最終回まで視聴しそうなのは
◆季節のない街
◆アンチヒーロー
◆おいハンサム!!2
◆滅相も無い

録画して見た「滅相も無い」が期待以上。
とんでもない状況を日常として描き、その日常を架空の舞台仕立てにするという試みは斬新。

微妙ながら一応録画は継続しているのは
◆Destiny
◆約束 ~16年目の真実~
◆イップス

「イップス」は楽しみにしていただけにやや期待外れ。
バカリズムは、なんで自分で脚本を書かなかったの?
篠原涼子の声としゃべり方が昔から苦手というのもある。
なんで彼女なの?

挙げていないいくつかのドラマは初回で離脱決定。
私が年をとったせいかもしれないが、脚本・演者とも幼い印象。
演技巧者が散らばらず、偏った感がある。

大河ドラマから日曜劇場という流れに乗るのは久しぶりで嬉しい。
ドラマっ子にとってこれぞ日曜の夜。

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