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フードロスを考える② ~1/3ルールって知ってますか?~

こんにちは! あたたけ です。

引き続き『フードロス』の話になります。
前回は『自分にもできる、当たり前のことを当たり前にする』、
という、何の解決にもなってないような、フードロス対策案でした。

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さて、フードロスを『個人で出来ること(≒家庭系フードロス)』だけで
考えれば、これ以上の話はありません。

で、ここからは『事業系フードロス』を考えていくのですが、
そもそも、組織(会社)に対しては、組織内の個人の意見よりも、
組織外の意見(≒世論)の方がより影響が大きいという面があります。

特に小売って、全国的な知名度は別にして、
『店舗がある地域での知名度』って意外と高いですからね。
(会社のことは知らなくても、名前とか看板くらいは知ってる人が多い)
で、良くも悪くもテレビやネットで話題になった時の反響が大きい。

なので、世の中がSDGsやフードロスに関心が高まれば、
『良い格好をしよう!』として、何となく取り組み始めるものです。
実際に、SDGsやフードロスがエライ人からの話で出ることもあります。

が、組織(会社)として考えると色々と壁を感じることもあります。
組織(会社)の中では個人で頑張ってもどうしようもないことが
多々ありますので。。。。。。。
ルールであったり、暗黙の了解であったりすることを
個人の意識だけですぐに変えていけるのか?という話ですね。

ということで、今回は、『食品企業の品管担当』として、
フードロスに関して思うところをまとめていきます。

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1.1/3ルール

フードロスに関連する話題としてよく挙がるのが、
『小売での1/3ルール』ですね。

簡単に言うと、加工食品の製造から期限までの期間に対し、
最初の1/3までが『納品期限』、
次の1/3(製造から2/3)までが『販売期限』としている商習慣です。
(大前提が『期限が切れたら売らない』、ということをお忘れなく)

私が習ったときは
『製造~物流、小売、消費者で1/3ずつ商品の権利を持つ』みたいな
ご説明をいただいた記憶がありますが、
結局は『小売の都合(≒古いと売れなくなる)』な気が。。。。

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で、これをうけ、納品期限を大手スーパーでは
1/3から1/2に緩和するって話がちょうど2年前に出ました。

さて、かれこれ10年以上、小売の現場の衛生管理などを見てきましたが
1/3ルールって、今どき、現場レベルで知ってる人っているの?
というのが、あたたけの本音です。

販売期限は完全に形骸化しています。
納品期限にいたっては、『基準も何もない』レベルです。
そもそも、製造から何日間の期限がついているかわかりませんし。。。
(期限が切れてなかったら良いんでしょ?くらいのことが。。。。。。。
 その弊害?で期限切れ品の販売が起こるんですけどね。)
(てゆーか、期限管理をそこまでガチガチにしてたら、
 『期限表示がない・明らかにおかしい』って商品が
 納品されることもないでしょうに。。。。。)

まぁ、あくまで『表向き』にないだけであって、
暗黙の了解&昔からの習慣という形でメーカー側と担当者で
独自に機能している可能性もゼロではありませんが、
発覚した時点でコンプライアンス上、けっこうな問題になりそうですね。
小売側からの指示であれば、『優越的地位の濫用』と言われるでしょう。
1/3ルールが『正常な商習慣』とは言い難いですから。
なので、そこまでムリはしないのが現状だと思います。

ちなみに、個人的な知り合いのメーカーや小売の方にも伺いましたが
皆さま、あまり現実としては動いていないという印象のようです。

なんにしろ、1/3ルールとは『既に解決に向かっている問題』ですので
今さら大きく取り上げることもないのかなぁと思います。
『今どき1/3ルールを取り上げる人たちは、
 叩きやすいところを叩いているだけの人たちでは?
 本当の問題に目を背けているのでは?』
とか、思ってしまいますね。

さて、世間一般?で目が行きがちな『1/3ルール』は
そこまで騒ぐ必要はない、というのが、あたたけの考えです。

が、それ以外のことで、
けっこう根が深い(≒業務に結びついている)フードロスがあるのも
事実です。

次回以降、あたたけが感じる、真のフードロス問題?をまとめてみます。
それでは今回はこの辺りで。

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