見出し画像

フードロスを考える③ ~ロスと言っても色々と・・・~

こんにちは! あたたけ です。

引き続き『フードロス』の話です。
前回から『小売での事業系フードロス』について、
あたたけの感じるところをまとめています。

で、前回はフードロスに関連して話題にあがることがある
『1/3ルール』を考えましたが、
あたたけ的には『既に解決に向かっている問題では?』という内容でした。

ということで、今回からは『ちょっと根が深い?問題』を考えていきます。

いろんなロス!

さて、フードロス(≒廃棄)について考えていますが、
仕事をする上では他にも『ロス』というものがあります。

業種ごとにロスの考え方はいろいろとあるのでしょうが、
小売では『(在庫から想定される)あるべき売上と実際の売上の差
という感じでしょうか。

で、その原因としては、以下の3つが考えられます。

①売れ残って廃棄した(廃棄ロス)
②売り切るために値下げした(値下ロス)
③その他、万引き、不正、入力ミス等(不明ロス)

フードロスに関わるのは①廃棄ロスですね。
ただし、小売を『業(なりわい、収入を得る手段)』とする以上
どうしても『モノ』ではなく『カネ』に注視して考えることになります。

スライド1

不明ロスは別問題として、
廃棄ロスをなくすには、値下げを活用し(期限までに)売り切る
という、とてもわかりやすい構図で
フードロスも簡単に解決できそうなのですが、
実際の営業を考えた時には、売り切るタイミングとして、
閉店時点で売り切る(翌開店時には店頭に並んでいる)』という
だいぶメンドクサイ制約がかかってしまいます。

なぜなら、ロスを『カネ』の問題として考える以上、
『商品が売り切れた状態(欠品)』というものは、
『あるべき販売機会≒あるべき売上を失った状態(チャンスロス)』

なるからです。

商品によっては欠品も仕方ないもの、
いわゆる『売り切れゴメン』というものもありますが、
『全ての商品が売り切れゴメン』、つまり、『欠品が大量にある』店舗が
お客様にとって魅力のある店舗なのか?という話ですね。

店舗にとっては売上減、お客様にとっては欲しいものが買えない、
商売という観点では、誰も得しない状態になってしまいます。

『節分の恵方巻で大量廃棄』というものが何年か前に話題になりました。
(実際に、あたたけの会社にも取材が入ったとか。。。。)
主な原因としては、
『前年以上のノルマが課せられたことによる大量発注』なのですが、
ノルマが膨らんでいった根本的な原因としては、
『こうすればもっと売れるはず(他社から売上をとれるはず)』という
前年のチャンスロスに対する反省というものもあるんだろうなと思います。

さらに言えば、チャンスロスだけでなく、
『欲しい商品がない』というクレーム防止のために
発注を増やすこともあるかもしれません。

あたたけも節分などに店舗応援に入ることがありますが、
遅い時間に来られたお客様から
『広告の商品ってもうないの?』と
悲しそうに、あるいは、不満そうに、さらには、怒りながら?
言われたこともあります。
来年はもう少し増やしてみたら?とか店舗の方と話しますけど、
作りすぎて売れ残る(≒フードロス)可能性もありますからね。

まぁ、そこまで深く考えず、
『自分の成績のため、解決案もなく、店舗にムリを押し付ける社員』という
救いようのない方々も、けっこうな原因かもしれませんが。
あとは『単純に読みが甘くて大量に発注する社員』もあるかもです。
(この辺りの『人の問題』は教育等で解決できることなので、
 壁は高くても根が深い問題ではないと思います。)

スライド2

ということで、小売の立場から考えると、
『フードロス解決(廃棄を減らす)』と
『チャンスロス解決(いつも商品がそろっている)』は
現状では両立がとても難しい課題
だと感じています。

当然、小売の中でもフードロスは問題として捉えられ始めていますが、
『客商売』である以上、お客様の意見を無視することも難しいです。

フードロスを考えよう!ってエライ人が言ったからという理由で、
食品を捨てなくて済むようにムダな発注をなくすのは良いのですが、
その結果として、欠品増&売上減となってしまうと
お客様からも会社からも評価を下げてしまいますからね。

スライド3

今回はフードロスについて小売の『販売の現場』に関することを
あたたけなりにまとめてみました。
次回は販売以外の場面でのことを考えてみます。
それでは今回はこの辺りで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?